おさむ茶マイルーム
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幸せの黄色いハンカチ
「幸せの黄色いハンカチ」1977年の作品ですからかなり懐かしい映画ですね。何回観たことでしょうか、それでもやっぱり、名作というものは20年前だろうが50年前だろうが、何らかのパワーを持っているものでいつ観ても新鮮です、特に山田洋二監督の作品は…。
昔「黄色いリボン」という歌があったですが、これをもとに、山田洋次監督が、脚本を書いて、映画化した作品ですが、その年の、日本アカデミー賞を受賞しました。武田鉄矢さんも、新人賞をとりました。健さんという人は、何をやっても高倉健なのである。最近は、脚本のほうで健さんに合わせてしまうので、ますますそういう傾向が強いのだけれど、昔の作品を観てみても、やっぱり健さんなのである。 たまにキャラクターの違う役をやっていても、観客のほうも「へぇ、健さんてこういうところもあるんだ」と、納得させるところが健さんたる所以ですね。
「幸せの黄色いハンカチ」は、観客が健さんを見るために作られた映画であり、書かれた脚本であり、撮影されたフィルムである。実際問題として6年間も帰ってくるやらどうやらわからん男を待っている女もいないであろうし、偶然こんなカップルに出会うことも稀であろうし、これは「おとぎ話」に過ぎないが、健さんの存在そのものがいまや現代のおとぎ話なのだから、これでいいのでしょうね。今の時代にこの作品を作ったら、「なに考えてんだ」と言われそうですが…。
ストーリーは、九州から北海道の炭坑に流れてきた健さんが、夕張の炭坑で愛妻と出会い貧しいながら幸福に暮らしていた。しかし、妻の一瞬の不注意でお腹の子を流産させてしまう。荒れた健さんは町でケンカをし、相手を殺してしまった。刑期を終えて出獄するものの、妻のところに帰りかねていた。そんな時出会った三人組が車で北海道を旅しながら、角突き合わせたり、協力しながらお互いを理解し合いはじめる。そして、健さんが妻に「もしもまだ自分を受け入れるなら家の前に黄色いハンカチを上げていてくれ」と手紙でメッセージしていたことを知り、三人で夕張の妻のところへ行くのだが、三人が夕張へと進むラストシーンの盛り上げ方は秀逸で、何回観ても感動的である。
2005.11.18:
osamu
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