おさむ茶マイルーム
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「沈まぬ太陽」
この、「沈まぬ太陽」を読んだキッカケは、図書館に勤務する友人のススメからでした。分厚い文庫で全5冊、本を読み始めると熱中するタチなので、読み始めるのを躊躇してたのですが… やっぱり読み始めたら一気に読んでしまいました。本の内容は、日航機御巣鷹山墜落事故を中心とした、当時半官半民だった日本航空の腐った内部事情の告発を、ストーリー仕立てにしたような感じです。(文中では国民航空、関係者いましたらゴメンナサイ)
この作品は実在する会社と人物をモデルにしていますが、御巣鷹山編だけは正直言って、実際に見聞きした当時の衝撃が蘇ってきそうであまり読み返す気にならない部分です。
この本では主人公がふとした事をきっかけに、組合の委員長になる。そして組合員のため、空の安全のために行ったストにより、人事で海外の僻地をたらい回しにされ…。最近の日航の不祥事を見ていると、相変わらず同じ事を繰り返してるんだなと…そして会社の体質って一朝一夕に変わんないんだということも。
「不毛地帯」「白い巨塔」を世に送った社会派の山崎豊子さんは、おそらく丹念に取材で得た事実を元に話を組み立てていったのでしょうが、それぞれのエピソードはリアリティ溢れていて圧巻でした。今年で日航機墜落から20周年、マスコミでも大きく取り上げられましたが、ちょうどお盆の時期でテレビ報道を食い入るように注視した記憶がよみがえり、胸が痛くなりました。
JR西日本の列車事故もしかり、巨大企業による利益最優先の経営姿勢が、人権と人命の軽視につながっていくことへの警鐘を鳴らした作品として、ぜひご一読を。
2005.08.26:
osamu
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