かわにしツーリズム
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ところで、日本で農家民宿といえば、その土地の旬の味を期待するものであるが、英国では日本のようには期待できない。ある民宿では、ローカルフードとして、地場のパンやジャムを提供しているといい、また別の宿では、地元の農家と連携し、肉や野菜、アイスクリームやチーズ、サイダーといった加工品を出しているということであったが、このことは、青木先生によれば英国ではかなり先進的であるという。 この背景としてまず考えなければならないのは、英国の農業経営が単一の作物を大規模に作るスタイルであることである。農家といっても自家消費用の作物はほとんど作っていないのだ。また、四季が日本ほどはっきりとしていないため、旬のものも日本ほど多様ではない。裏返して言えば、日本の農家ように、自家消費用とはいえ、畑で多品種を栽培し、多様な旬の味を楽しめるのいうのは、民宿経営を考えた場合、とても魅力的なことと思えるのである。 さて、B&Bスタイルの宿に泊まった客は、夕食はどうしているのか、という点も気になる。私たちは毎晩のようにパブに繰り出したのだが、他の多くのゲストも近くのパブに出かけるようだ。最初に泊まった民宿には、廊下の一画にその宿推薦(話によると提携していることもあるらしい)のパブやレストランを紹介するスペースがあり、地図や電話番号のほか、メニューまで見ることができるようになっていた。 なお、パブに行くとどうしてもビールを飲んでしまうものであるが、パブへは多くの場合、自分で車を運転していかなければならない(農家民宿はたいてい広大な農場の中にぽつんとある)。飲酒した場合、宿へはどうやって帰るのか気になるところだが、聞くところによると英国では飲酒運転を禁止する法律はないという。自己責任を大切にする大人の国の一端が透けて見える。 (写真はB&Bに置かれた周辺のレストランガイド)
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