美術館大学構想

■写真上から(※写真をクリックすると拡大画面で見られます)
1)松岡圭介さん(大学院彫刻修了)による木彫は、ヒトガタに切り抜いた合板を幾重にも張り合わせて成形されたもの。会場の『ギャラリー絵遊』は、建築・環境デザイン学科竹内昌義准教授ゼミによる設計で、今春オープンしたばかりの瀟酒なギャラリー。建物自体も見どころです。

2)プロダクトデザイン博士課程在籍中の酒井聡さんの音と映像のインスタレーションは、蔵を再利用したカフェ『灯蔵・オビハチ』で作動中。古い梁に分厚いガラス板とアクリル製の水盤を乗せ、さらに、振動スピーカーで音響を注入することで、暗い荷蔵の内部に、有機的な水の振動が視覚化されている。人工心臓みたい。

3)池谷保さん(洋画コース卒/京都市立芸大大学院在学中)の絵画は、前回のブログで紹介したビルの空き部屋に展示。目眩のするような独特の描法による絵画の肌理は、圧倒的にオリジナルな仕事。この他、アクリル絵具をコツコツつなげて紐状し、空間に吊り下げる「ドローイング作品」を現地制作。

4)大沼剛志さん(大学院プロダクト修了)の砂の彫刻は、古い荷蔵『大マス』に置かれた。もともと蔵に置いてあった大きな山水画の屏風を借景にして、黒い砂の流動性を応用した作品が、木箱の中でミニマルな砂の坪庭を創出。

5)前回紹介した後藤拓朗さんのドローイングは室内から溢れ出し、とうとうビルの階段にまで進出。

6)工芸+実験芸術大学院によるグループは、馬見ヶ崎川沿いにある貨物車両を再利用した名物カフェ『エスプレッソ』の駐車場に、店舗と原寸大の模型を設置し、その中でパフォーマンスを展開する(その模様はカフェ店内に中継)プロジェクト『1984-espresso』を発表。お客さんに好評を博しています。(下の2枚/上がダミー、下写真が実際の店内で、小型モニターで中継中)

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卒業生支援を目的に、2005年に立ち上がった卒業生クリエイターによるアートショー『I'm here.』の2007年度版『I'm here.2007-根の街へ-』が、とうとう本日(7/5)、山形市内7ヶ所でオープンしました。
本学を卒業後、日本各地で活躍する7人の才気溢れるクリエイターと、大学院生の2グループが参加する本展は、地元のギャラリー、蔵、カフェにて、それぞれの空間の特性を活かした展示に挑戦しています。
梅雨の生憎の空模様で、初日の出足は少なめでしたが、連日のプレス攻勢が効いたのか、地元のテレビ局、新聞各社の反応はよく、会場に詰めていた出展メンバーは、朝から多くの取材を受けていました。明日以降、様々なメディアでご紹介いただけるはずです。

今回は、初日の様子を一部写真でご紹介しましたが、いずれも山形の街に新しいアートの風を吹き込む洗練された力作ばかりです。
遠方の方も、地元の方も、この機会に山形のアートスポット巡りをかねてご覧いただき、参加している若きアーティストたちを激励いただければ幸いです。
会期は7/15(日)まで。
週末には参加フリーのパーティーやトークイベントもあります。
多くのご来場、お待ちしてます!
宮本武典/美術館大学構想室学芸員
(※map等、詳しい情報はHP内の「information」をご確認ください)


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