美術館大学構想

■写真:卒展を支えた〈卒展ディレクターズ〉のスタッフたち。1〜3年生を中心に、コアメンバーが27名、期間中のみ参加の当日スタッフ登録者が74名と、総勢100名をこえる在学生が、卒業生523名による大展覧会を動かしていた。その活動は、広報、イベント企画、会場整備、鑑賞ツアー運営、周遊バス運営、HP運営、カタログ作成など多岐にわたり、それぞれの所属する学科の課題もこなしながら、スタッフたちは去年の6月から9ヶ月間、無償で働き続けた。今ではもう家族のような関係。(撮影:サンデーブース)

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4ヶ月ぶりの更新です。
西雅秋さんの展覧会を終え、息継ぎする間もなく、そのまま卒業制作展の準備に没頭してしまいました。こんなにほったらかしにするなんて、人気ブログの条件からほど遠いですね。もし、このブログを定期的に見ている人がいたとしたら、大変申し訳ない事をしました。すみません。

しかし、宮本も美術館大学構想室も、このHP上では眠っていた4ヶ月は、今年大きく変革された「卒業/修了研究・制作展2006」の運営を担い、総合ディレクターの宮島達男副学長と、30名の学生スタッフ(卒展ディレクターズ)とともに、冬のキャンパスを駆け回る激動の日々を過ごしていました。このブログで途中経過を実況すると、弱音とカラ元気で埋め尽くされることが懸念される程、それはそれはハードな毎日でした。

これまで山形美術館で開催していた芸工大の卒展を、松本学長が「キャンパスに一本化する」と宣言してから、気の遠くなるほどの時間を議論に費やしてきました。学生はもちろん、教員、事務局、卒業生をも巻き込み、9ヶ月間「産みの苦しみ」にもだえ続けた卒展。その顛末については、学生スタッフが、卒展ディレクターズHP上にたっぷりとUPしてくれていますので、空白の時間はそちらで埋め合わせしていただければ幸いです。

卒展ディレクターズHP=http://gs.tuad.ac.jp/directors/index.php
TUAD卒展公式HP=http://www.tuad.ac.jp/sotsuten2006/

その卒展も、1週間前になんとか成功に終わりました。
アトリエや研究室を展示会場に転用し、キャンパス内17カ所でパピリオン形式で開催された展覧会を、一週間でのべ2万人の人々に見ていただきました。各サイトで展示されていた作品も、本当に素晴らしかった。
緊張の糸が切れたのか、寒風の中、野外で駐車場管理に立ち続け、次々とインフルエンザで倒れていった学生スタッフたちも、今はもうそれぞれの地元へと帰郷しました。卒展に出品した523名の卒業生たちは、一ヶ月後の卒業式までに、引っ越しや身辺整理に余念がありません。
そして、準備期間と並走するように3ヶ月間病院で過ごしていた身重の妻は、卒展終了と同時に無事に臨月を迎え、今は自宅で静かに出産の時を待っています。

過ぎてしまえば、過ぎ去るには惜しい、さまざまな出来事があった日々。静まり返っている学内で、ようやく自分なりにこの4ヶ月を見つめる余裕が出てきたので、少しずつ、自分の眼で見た卒展について、このブログに書き残しておこうと思います。

繰り返しになりますが、忘れ去られてしまうには惜しい情景だけが、雑然とした意識の片隅で、その本当の価値を当人が理解するまで、雪の夜に灯る街灯のように、微かに輝き続けます。心地よい身体と精神の披露を感じながら、この9ヶ月の経験は、まだまだ多くの事を僕とこの大学に与えてくれると感じています。

美術館大学構想室学芸員/宮本武典
定期的に見ている者のひとりです!
この度の卒展では、作り手であるという存在以上に、スリリングな経験が出来たと思っています。そして、校内を誰よりも奔走し、掛け橋になってくださった宮本さんのエネルギーの源は一体何なのでしょう。いつも気になります。

これからは、何をするかももちろんですが、誰とするかが重要だと思いました。自らの意志で苦労を買ってでた、ディレクターズのみなさんの卒展運営に関わった時間が、これからの出来事に実りをもたらすものであるよう願っています。

2007.03.03:1/523:修正削除


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