ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ


あたりは雪、ゆき、雪のまっ白い風景だ。
今日の最高気温はマイナスの2度。
この寒さは尋常じゃない。

今は夜。

どんな音もしない静寂の世界。
こんな夜なんだよね、
窓の向こうの雪明かりの上を右から左にスーッっと、
白い和服をまとっただけの雪女がとおり過ぎていくのは。

決して部屋の中に誘ったりはしていけない。
そんなことをしたら、明日の朝、俺は凍った姿で発見されるに違いないのだから。
そりゃ、幸せそうな顔をしているかもしれないが・・。

気をつけなければならないな。
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95歳の母親はショッパイモノが大好きだ。お茶のお伴は漬物だし、ご飯のおかずにはショッパイモノが欠かせない。妻が身体を考えて薄味の味噌汁を出すのだが「うすい」といって醤油をかける。「あっ、身体に・・・!」と止めようとするが、このような食生活を長年送ってきて結論が元気なのだから・・何も言うことはない。92歳の父親も同じようなもの。夫婦そろって元気なのは・・・良く働いた、なんでも食べる、酒は少しだけ、いつまでもクヨクヨしない・・などの原因も考えられるが、つまるところは自分流だ。自分流・・・これが根本かな。考えさせられるねぇ。
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「百姓」としての誇りをもって生きる。
こんな時代遅れの旗を掲げながら活動する集団がある。
山形県南部の置賜地方。その名も「置賜百姓交流会」。
結成(というにはずいぶんといい加減な集まりだが)したのは1977年。
37年前だ。
卑下ではなく、「百姓」を前向きな意味を持つ言葉として日本で最初に使った団体と言われている。

「農民」が職業を表すとすれば、「百姓」とは「生き方」だ。
土の上に誇りをもって生きようする。当然のことながら農業の主体者は私だ、
国ではないという姿勢は百姓の基本。

情熱を込めて「百姓」を生きる人、その舞台としての農業を語る人だけでなく、
一緒にその世界を創ろうとする人も百姓だ。

もとより、自分だけの世界に閉じこもろうとは、はなっから考えていない。
時の権力、時代の流れに迎合しない生き方、
百姓としての生き方がますます求められる時代にあって、
いま、この「置賜百姓交流会」が全力をあげて呼びかけている催しがある。

http://antitpp.at.webry.info/201401/article_1.html

TPPに反対する人々の運動・全国寄合
日時;2月21日17時〜
場所;全林野会館・502
   東京都文京区大塚3-28-7
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今日は小正月。
以前は1月15日の成人の日にやっていたが、集落の「ヤハハエロ」(どんど焼き)の行事と合わせて日曜日に行うようになった。
我が家では神棚、恵比寿様、大黒様、台所、作業所、鶏舎、車・・など15ケ所にお供えしたおもち、干し柿、栗を集め、夕食にいただく。(注)



また、小正月は繭玉やお米などに模した団子を恵比寿、大黒さまのところに飾る。昔からの行事だ。
 夕方はヤハハエロ。集落では子どもたちが古いお札などを集め、ワラやカヤなどで作った大きな「にょう」(3mほどの円錐状の構築物)
ともに焼く。
 今は夕方の6時。
さぁ、これから始まる。
その後は集落の「新年会」だ。
酔っ払いそう。
 
 (注)
 家の15か所の神様にお供えする。我が家ではずぅーっと昔からそうしていた。どこにでも神様がおいでの八百万の神々。その神々とともに新年を迎える。私はこの行事は嫌いではない。天皇制にからめとられない「八百万の神々」。そこが肝心だ。

写真は我が家のお供え物と団子飾り。
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菅野農園は今年も健康な農作物をお届けします。

<玉子編>
1、自然に近づけてニワトリを飼います。
2、遺伝子組み換え飼料は使いません。

(今や日本の養鶏界はほとんどすべてが遺伝子組み換え飼料となっています。トウモロコシ、大豆、ナタネ・・・この遺伝子組み換え食品を食べ続けるとどうなるのか。モルモットの実験では4ヶ月後ぐらいから癌にかかる割合が急上昇し、2年後にはほとんどすべてが罹患して行ったといいます。だが、遺伝子組み換え作物を開発した企業(モンサント社)は3ヶ月までのデーターしか公表せず、もって「異常なし」としています。人間の場合のデーターはありません。いま、その人体実験が暮らしの中で進行中ということなのでしょう。)

3、いま流行の黄身の色を濃くするための色素は使用しません。
4、その他、一切の薬物、化合物は使用しません。あくまで自然卵にこだわります。
5、子どもからお年寄り、病人、妊婦まで安心して食べられる玉子をつくります。

<お米編>
1、今年も「殺菌剤ゼロ、殺虫剤ゼロ」の米作りに取り組みます。
2、化学肥料を使用せず、有機肥料のみで作ります。
3、「おいしい」と言ってもらえるお米を目指します。
4、昨年、50aで作った無農薬米(殺菌、殺虫ゼロに加えて除草剤ゼロ)は10aあたり3俵(目標は8俵)と散々でした。今年こそ8俵を目指します。

<暮らし編>
1、今年は自給用に放し飼いの豚を飼います。(注1)
2、自給用の野菜をもっとたくさん作ります。
3、自給用に育成している甘柿、りんご、和梨、クリなどをしっかり育てます。
4、芳秀はもっと田畑に出るようにします。
5、父子のチームワークを良くします。(注2)
6、家族みんなで農業を楽しみます。

(注)
1、昨年の暮れに農民仲間から放し飼いの豚肉をいただきました。「うまい!」とおもいした。スーパーの豚肉とは大きく違います。今年は我が家でも飼ってみます。
2、父子の関係が悪いわけではないですよ。誤解なさらぬように。
3、お米は「つや姫」、「ひとめぼれ」です。白米、7分、5分米は2,500円/5kg、玄米は2,300円/5kgです。送料は10kgまでなら関東で630円です。なお、消費税はいただいていません。毎月10日が配達日です。
あけましておめでとうございます。

土、それは遠い過去からはるかな未来に至るまで、いのちが形を変えてめぐって行く場。壮大な循環の舞台。
土、それは「生きとし生けるもの」全ての「いのち」のみなもと
いのちあるものはことごとく土の化身

農を興さんと欲するなら土から
食を問うなら土から
未来を築かんとするなら土から

元旦の朝、裏にそびえる朝日連峰の裾野に分け入り、私が「山の神様」と呼んでいる土と微生物達に初詣に行ってまいりました。今年もここから始まります。




2014年元旦
今晩(28日の晩)、お正月の餅をついた。
息子が杵をもち、私が餅をかえす。
当地では「あいづら」という。
タイミングを合わせソレキタ、ハイキタ・・・。
餅はお雑煮、黄粉もち、納豆もちとなり夕食で食べられたあと、多くはお供え餅、伸し餅としてお正月の出番を待つ。

12月は何かと行事が多い。
9日の「みみあけ」が最初だ。
お大黒様に女性の下半身にも似た「股(まった)大根」をお供えし、
「お大黒様、お大黒様。耳を開けてよぉく聞いておりますから、何かええごど(良い事)聞かせておごやぇ(ください)。」
一斗の升に大豆の炒ったものを入れ、カラカラ言わせながら大きな声で三弁唱える。

そして冬至の「小豆かぼちゃ」。
小豆とかぼちゃで甘く煮たもの。7軒の「小豆かぼちゃ」を食べれば風邪をひくことがないと言われているが、我が家では3軒から戴いた。最近はこのぐらいかな。

28日は餅つきだ。
そして裏山に行って、松飾りの松を戴いてくる。
こんなことをやりながら、だんだんお正月に臨む気分を育てて行く。
雪をかぶった柿の実がぶら下がっている。
こんな光景をみるといつもの柿の種の話を思い出す。
ふふ・・、オレの創作話だけど・・。

今にも落ちそうな柿の実に聞く。
今の君の気持は?

「私は危機のなかにいる。情勢は非常に厳しい。希望を見いだせない。」

今度は柿の実の中の種に聞いてみる。

「希望が近づいたぞ。俺たちの時代がやってくる。」

同じ柿の中にはまったく違う物語がある。
柿の実から絶望を語るのも、種の立場から希望を語るのも、どちらも現実だ。
だけどこの両者の違いは大きい。

みんなでなるべぇ柿の種。

みんなでなるべぇ柿の種。

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大正大学の人間環境学科では長井市のレインボープランをフィールドワークの舞台としています。もう5年になるでしょうか。この度、学生たちは東京国際展示場(東京ビックサイト)で開催されたエコプロダクツの大学・教育機関コーナーでレインボープランの報告をしています。
「学生たちは、来場者の多さや、想定外の質問に戸惑いをもみられるがいい体験をしている。」(落合教授)ということでした。 下のシェアした写真がその模様です。

私もこのフィールドワークにかかわっています。

雪の中から大根と白菜を収穫した。
雪をかぶった作物は甘くなる。
じっさい、大根を輪切りにして食べてみたらやっぱり甘かった。
たとえれば・・ヤーコンのような感じかな。梨の甘さをもっと薄めた感じだ。さっそく白菜は鍋に、大根は大根おろしにして食べた。うまい!



米と白菜と大根と大豆を確保した。玉子もある。これで冬将軍との戦いは勝ったも同然!!

12月8日、「■これでいいのか?! TPP 12.8大行動」(IWJ)が東京は日比谷公園で行われました。その集会の模様と、集会に寄せられたマレーシアのマハティール首相のメッセージをご紹介いたします。

http://www.ustream.tv/recorded/41487039
http://stoptppaction.blogspot.jp/2013/12/tpp1282700.html

山形からも「ストップTPP山形県民アクション」に結集する仲間たちも多数参加しました。
最近、ある新聞からTPPと農業に関わる文章を頼まれた。
1,000字。
恥ずかしながら、以下に掲載します。

空腹は誰しもが我慢できない。だからこそ、鎌倉の世も、徳川も、明治も、昭和も、その敗戦時も・・・その時々の政権はまず農業を守り、これを社会の基本としてきた。変わることなく人々の暮らしといのちを守り続けたのはこの国の農業だった。社会の基礎にしっかりと農業が根付いていたからこそ、幾度かの動乱や政変の中にあっても人々は最少の混乱でその危機をくぐり抜けることができたのではなかったか。
しかし、数千年続いたこの国の人々と農業の関係はいま、大きく崩れようとしている。農水省の予測では、日本の食料自給率は現在の39%から27%まで落ち込むという。それは有史以来はじめてのこと。TPPの話しだ。
このように農業だけをとってもこの国の未来に大きな暗雲を投げかける問題を含んでいるにも関わらず、今に至ってもなお、TPPの全体像を国民にまったく公表することなく、一部の閣僚と企業人において秘密裏に決めてしまおうとしている。そこには民主主義はない。憲法にうたわれた主権在民もない。
交渉は年内妥結をめざして、12月7日からは閣僚会議が始まろうとしている。このまま我々の未来を一部の閣僚に任せていいのだろうか。いま、私たちはこの国の農民として、だからこそ気づきうるTPPの危うさを、広く社会に訴える国民運動の先頭に立たなければならない。大きく言えば我が農民にその歴史的責任、社会的使命があるのではないか。

TPPをめぐる議論の中には、「日本の米は高すぎる」というものがある。ご飯1杯(70g)の価格は28円、2杯食べても56円でしかない(10kgあたり4千円の場合)。それを「高すぎる!外国に依存せよ!」というだろうか。
TPPは規模と価格とコストの面で、果てしない競争を強いていく。市場原理とはそういうものだ。近年、環境と生態系に負荷をかけず、何よりも食の安心、安全を第一とする循環農業、有機農業への流れができてきたように見えたが、一転して農法は、農薬、化学肥料に、より傾斜したものにならざるをえないだろう。一層の省力化、コストの削減、土からの収奪と土の使い捨てが続く。これでは未来の世代にはぼろぼろになった土しか渡せない。それでも生き残ることは難しいだろうが、そんな農業、そのような「国づくり」が進行していくのだ。それを自民党は「成長戦略」という。でも、それがどのような意味で「成長」なのだろうか。

農業、食糧生産をそのような「成長」路線から解き放ち、いまある日本型農業を守り、土や海、森を始めとした、いのちの資源と共生する農業を広く築き、その農の上に新しい人間社会のモデル、農業を基礎とした循環型社会を広くアジアに、世界に示していくことこそが日本の進むべき道ではないかと思うのだ。
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