ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
ブログの立ち上げおめでとうございます。
おめでとうございます
いよいよスタートですね!
おめでとうございます
また楽しみができました。
待っていました
こんにちは。
「ぼくのニワトリ」楽しみに読ませていただいていました。 ブログ開設、うれしいです。これからも色々と教えてください。 こちら北部カナダは、木々の芽も膨らみ、大分春らしくなってきましたが、暖かい数日の後に雪が降ったりと忙しいです。現在、期末試験の時期で、「ぼくのニワトリ」で新年を一緒に迎えた学生達も悲鳴を上げている最中です。もう卒業した学生もいますが。 話が変わりますが、先日プラスチック・ボトルのリサイクルでスーパーに持っていってみました。一本、5円相当でした。飲み物を買う時に、もっとビン代を高く設定していたほうが皆リサイクルするだろうになぁと思った次第です。 |
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さて、インターネット上の毎日新聞に「ぼくのニワトリは空を飛ぶ」と題する駄文を書き、26回目からは「個人的なメールマガジンにおいて・・」と宣言したのが昨年の12月、今はもう4月下旬だからもう半年のご無沙汰だ。
締め切りがないというのはとても自由だけど、ぼくのようにグウタラな人間にはマイナスにしか作用しない。まったくダメ。書けません。それに「メールマガジンにおいて」とは言ったけれど、肝心のその世界のことをほとんど知らなかった。
じゃ、宣言しなければいいじゃないかともお思いでしょうが、ま、最初に広く宣言し、逃げられないようにしてから事に向かうというのは、禁煙の時も同じで、ぼくのやり方。方法としては手慣れたものだ。あとはグウタラを我が家系の遺伝子のせいにして機会を待てばいいというわけだった。
そして機会はやってきた。筆不精のぼくの背中をドンと押してくれたのは、友人からのメールだ。そこにはびっくりするような話があった。これは書かないわけにはいかないぞと。ぐうたら人間をやる気にさせたメールとはどんなものか。少し長いが引用する。
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菅野 芳秀様
すばらしいシフォンケーキが出来て,初めて家族にほめられました。本当に素
晴らしい卵力です。ありがとう。
白身を泡立ててレンゲを作ったのですが,泡立ちのしっかりさ,泡の艶色,いき
いきとした感じがいままでの卵とちがう。
オーブンで焼いてみてさらに違いが分かりました。ふくらみの高さが焼き型の煙
突のところまで膨らんでいるのです。これは初めての経験でした。食べてみるとなめらか,しっとり,ふわふわ。
焼いた翌日はどうしてもやや堅くなるのですがそれがあまり感じられません。
そしてもうひとつ決定的な素晴らしいことー焼いたときの香りのすばらしさです。
今まで「平飼卵」というのを使っていたのですが,焼き上がった直後、オーブンを開けると魚滓の油の酸化した臭いがしてせっかくのリキュールやラム酒のにおいが消えてしまい,それが気になってしかたがありませんでした。それがすべて解消したのですから驚きです。
もっと,価値高く売れる卵だと思います。「NPO虹の駅」で、この卵でシフォンケーキを作って売って名物にしてはいかがですか?
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びっくりしたよねぇ。写真の左がぼくの自然養鶏の玉子で作ったシフォンケーキだ。右が生協の平飼い養鶏のたまごで作ったもの。比較のために条件は全く同じにしたという。でもこの差はなんなんだ。友人は農芸化学の専門家で、もと農水省の技官。「たんぱく質の組成の違いが原因だとは思うけれど、調べてみなくちゃね。」と言ってくれた。
ぼくはその違いを少しロマンチックに考えたい。いのちを持ち、暖めればヒヨコになる玉子と、いのちを持たず、暖めれば腐ってしまうたまごとの違い。持っている生命力、含まれているいのちのパワーの違いだろうと。
いのちはいのちをいただくことでふくらんでいく。いのちは、いのちに加わってもらうこと、参加していただくことで強くなっていく。「食べる」ということはそういう事だ。参加する「いのちの質」(嫌な言葉だけど)によって生命力が決まっていく。
たまごの外見は同じだ。区別がつかない。だけど、その違いは歴然としている。これは生協の「平飼い養鶏のたまご」との比較だが、ゲージ飼い養鶏との比較ならどんな結果が出ただろうか。
本物の食べ物、生命力あふれる食べ物をしっかりと食べたいものだ。
自然養鶏を始めて25年。いのちを育む百姓として、人間として(わっ、はずかしい!)いい玉子を作りたいと思い続けてきたが、なんだかその努力が報われたようでうれしかった。
P・S ★ 自然養鶏の玉子を食べてみたい方はご連絡ください。当然のことながら数にかぎりがありますので、お受けできないこともありますが、その時は不運と思い、あきらめて下さい。