ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ

 今年の農家の米売り渡し価格を称して「首をくくって死んでしまえ」と言われているような価格だといった。もう少し砕いてみてみよう。
  今から30年前の1984年(S59年)、一俵あたりの農家の売渡価格は平均で18,668円だった。自主流通米では22,000円ぐらいだったと記憶している。それが仮渡価格とはいえ今年は一俵あたり8,500円。一年後の「精算金」を含めても1万円を超えることはないに違いない。
 一方、今年の2月に農水省は米の2012年産(H24年産)の生産費を発表した。その全国平均が1俵/60kgあたり15,957円。今年は油代の高騰もあってもう少し高くなるだろうが、それを8,500円で販売なければならない。
 仮にその生産原価に含まれている36%分、5,744円の労働費をゼロにしたとしても、今年の販売価格には遠く及ばない。農家が一年間のタダ働きしたとしても追いつけない安値。これでどうやって暮らしていけるというのだ。「首をくくる」しかないではないか。
 その背景に、山形県米生産量のほぼ倍に匹敵する年間80万トンの輸入米がある。GATT−WTOで約束させられたものだ。TPPの締結はこの傾向を更に増大させ、6,000円代にまで米価を押し下げるだろうと言われている。これに対応できるのはごくごく限られた条件をもつところ以外になく、日本の米作りはほぼ壊滅だろう。私がTPPの先取りだと言った理由はここにある。自民党安倍政権の「成長戦略」が農業を滅ぼして行く。
それでも種を蒔く
我が家の老親はいつの頃からか、米の値を訊かなくなりました。
訊いたところで、納得いこうがいかまいが、今年の春も生きながらえていれば、やることは決まっているから。

春になれば田植えをする。
国が休耕しろと言えば、コスモスの種を本来は田んぼだったところ一面に蒔く。
コスモス咲けば、「あー、きれい・・・」と素直につぶやき、コスモス畑の傍らで芋餅を作って売る。

あやしには到底、真似できはしないけど、それはそれであっぱれな百姓人生です。

・・・ やっぱり、あたしはそんな生き方は 無理。(^_^;)

2014.09.26:あおい:URL修正削除


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