ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
秋から冬への山は、なんか恐いですね。厳しい冬に向かっているからかな?
昨夜の深夜便のお話を、お聞きしていて、私も放し飼いにしていたチャボを思い出しました。よく「雄鶏には気を付けるんだよ」って、言われていました。私は、雌鶏と間違えられているのかなって思っていました。が、実は、愛する雌鶏を守っていたのですね。
ステンレスのボールを俯けに地面に置くと、その上に雄鶏が飛び乗ってダンスをするんですよね。面白いので、じっと見ていると、「雄鶏は、ボールに写った自分の姿を雌鶏と思って、交尾しているんだよ」って、言っていましたね。「そうか、それは雄鶏を騙したら可哀想やな。ボールを除けてやってよ」って言うと、手に持ったボールに付いているのを指差して「これが、雄鶏の精子なんだよ」って・・・・。昔々、話してくれました。 雄鶏は、雌鶏を勇気を持って守っているらしいけど、雌鶏は雛鶏を命を掛けて守るんですよ。放し飼いにしていると、昼間は菜園・牛の下・庭などで元気に歩き回って遊んで、夜は野良犬に狙われないように高い所に(力の強い順番に高い所から)寝床を作るんですよね。・・・・春さきに、その場所に卵を産んで温めます。確か、21日間位だったよね。「ピヨピヨ」って可愛い泣き声が聞こえたら、すぐに下に降ろして(まだ孵化してない卵も一緒に)巣箱を作ってやります。でないと、ひよこが落ちて死ぬんです。そんな時に、起こった事なのですが、夜、野良犬がやって来た。さあ、どうなったと思いますか・・・・? 本当は、可哀想で思い出したくないんだけどね。 翌朝、チャボの羽が一杯飛び散っている。・・・お母さん鶏が居ない。・・・探していると、家の前の小川の小さな橋の下にお母さん鶏の無残な姿。夜は(鳥目で)見えないと思うのだけど、子どもたちを守るために必死で、そこまで野犬を連れ出したのでしょう。自分の身を犠牲にしてね。雛たちは、みんな巣箱の中で生きていました。でも体温が下がると動けなくなる「この雛たち、どうなるの?」・・・・ちゃんと、別の雌鶏が温め始めました。・・・・ 「私の身体を食べてください」と言って、火の中に身を投げたうさぎの話みたいでしょう。きっと、観音様か女神様なんですよね。 ・・・それで、お月様の中には、うさぎが住んで居るんですかね。餅つきしながらね。 昔々の事と言っても、ほんの6〜7年前の事なんだけどね。鮮明に思い出してしまいましたよ。昨夜の、深夜便のお話を、聞いていてね。 なんで? さくらは病院だろうが。・・病院からも100円入れるとネットができるんですよね。見つけちゃったです。ルンルン! でも、今夜の看護は、叔父さんが代わってくれました。「夜は、叔父さんと叔母さんで泊まるからな。さくらさんは、昼間頑張ってくださいな」との事なので、「ありがとう、よろしくお願いします」って帰って来ました。実家の母には、内緒にしておきたいけど、もうバレてるかな。看護、付き添いを怠けているとね・・。実は、心配です。また、実母に何を言われるかね・・・。 |
山さくらさん
copyright/kakinotane
森の木々はすっかり葉を落とし、草ぐさは朽ちようとしている。
自然界全体で見れば、一つの生命の終りは、もう一つのいのちの始まり。
やがて、それぞれが土に戻り、養分となって新しい「いのち」に役立てられていく。新しい生命に参加していく。加わっていく。いのちのめぐり、いのちの交替期。土はその舞台。
朝日連峰のすそ野、雑木林に分け入る。
モクモクとしたやわらかい落ち葉の床。土の感触が伝わってくる。
あたりを包んでいる甘酸っぱい香り。草や葉、たくさんの生物達が土に戻ろうとして放つ醗酵の香りだ。
それらが私を柔らかく包みこむ。呼応する身体とこころ。ゆったりとした、しみじみとした感動が湧いてくる。
秋から冬、それはとても哲学的な季節だ。
(バックナンバー「シーッ静かにしよう」にも同じ世界があります。)