獅子宿

この姿勢がなかなかできないんです。例えば人が何かを発見したり、凝視したりする時、腰をかがめますね。猫が獲物を狙って身構える時の姿って見たことありますか?今にも飛び掛ろうとする緊張感があります。棒立ちであごを上げて歩き回る獅子ほど間の抜けた獅子はありません。こっちに来ないで!と言いたくなります。獅子は悪霊を祓うという霊獣で、ご存知のように百獣の王といわれています。しかも人間には無いすばらしい運動能力を持っている生き物です。人間はまさに獅子ならぬ「虎の衣を借る狐」です。自然界において人間ほど退化した生き物はないかもしれません。文明という武器を持つようになり、牙を捨て知恵という身を守る道具を持つ様になったのです。しかし、人間の潜在的な心理の中に強い生き物に対する畏れや憧れを忘れる事ができず、あの獅子の姿に心を奪われるのです。我々が勝手に想い描いている獅子の姿は太古の時代から受け継いでいる遺伝子にしっかり記憶されているかのようです。大袈裟かな?


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