獅子宿

明るすぎて見えにくくてすみません。ここの神社のお獅子はお神酒をいただく時、舌にお神酒を注ぐのです。丁度その舌に谷があって獅子振りが口を持ってきて、お獅子と一緒にあーーーーんってするんです。警護から、「お神酒は一滴もこぼしてはいかん!」と怒られるし、かといって長ーい道中飲みすぎると「ラリラッタイ」になるしナカナカ大変らしいですよ。お隣の草岡のお獅子も先代の獅子がそういう舌の形だったのですが、お神酒を飲みやすくするため薄く作り、そこから破損して修理が大変だったんです。以前は恐らく五所と同じ様に、お神酒を振り手が直接飲むというやりかたのナゴリなんでしょうね。新しいお獅子は総宮の一番古いお獅子にあるような補強構造を採用し強化しています。総宮のお獅子にも補強が無く直接お神酒を注ぐことのできるような獅子の舌もあります。
 さて今回、獅子の軸を一本増やしてみました。写真の一番上の奴です。「以前からこの棒の目的はいったいなんなんだろう?」と考えておりまして、やはり総宮のお獅子も二本と三本あるものがあります。ある時、写真で言いますと上から一本目と二本目の軸を握ってもってみますと口を開けた時に持ちやすい事に気がついたんです。二本しかない獅子は握った時に手首を曲げて口を開けるため、なかなかきついのです。警護掛かりの時に上から二番三番目の軸を持てば手首も自然な角度ですごく楽なんです。これはあくまでも推測です。補強の為でもあるでしょうしね。いやぁぁぁー祖先たちは獅子舞の為にいろいろ工夫をしたんですねぇ。昔はもっともっと凝り性の彫師が存在したのですね。


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