美術館大学構想
『Im here.07 -根の街へ-』街をアートでリノベーション
■写真:土井ビルディング2Fの空き部屋で滞在制作中の後藤拓朗さん。壁紙を剥がして露出した板面に、鉛筆で直接にドローイングを施しています。(撮影:近藤浩平)
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開催まで2週間を切った今年の『I'm here.』。
ですが、現在7階ギャラリーで開催中の『SHINJO SAITO -一心觀佛-』展の京都巡回が突然に決まり、また、来月中旬に公開予定の肘折温泉郷での灯籠プロジェクト『ひじおりの灯』が、プランがまとまりきらないまま、連日マスコミに取り上げられてしまうなど、いつも通りの拡大展開への対応で、バタバタと慌ただしく準備が進んでいます。
今回の最大の特徴は、はじめての地元・山形での開催、さらに市内のギャラリーやカフェなど、7ヶ所を同時に結んでの展観にあり、アートスポットのガイドマップも兼ねた本展のポスター兼フライヤーも好評をいただいていますが、この17,000枚のB2判印刷用紙は、全て地元企業の田宮印刷株式会社さんからの提供で賄うなど、地域との連携がよりクローズアップされてきたかたちです。
これまで仙台で開催していた『I'm here.』シリーズですが、地元に帰ったとたん、盛り上がりと反響が違うことに驚きました。この企画も、土地の力を借りる事で年々拡大+進化を続けているようです。
昨晩は、レセプションパーティー(7/7)を担当するプロダクトデザイナー集団『Link』と、パーティーで提供する「地産地消」をテーマにしたオリジナルフードについて夜遅くまでミーティングをしていましたし、他にも、日本の若手アーティストを取り巻く現状について、アートライターの白坂ゆりさんを招いての開催するディスカッション(7/8)開催など、昨年度の卒展テーマ『OUR ART. OUR SITE.』と『I'm here.』を混合させながら、ここ東北だからこそ可能なアートシーン創造に挑戦していきます。
詳細は既に〈Information〉で公開されていますので、ぜひチェックしてください。
*****
参加する作家たちの中でも、駅前のすずらん通り沿いにあるギャラリー『ぎゃるり葦』さんの協力で、「住み込み制作」を続けている後藤拓朗さんは、本展タイトル『根の街へ』をそのまま体現するような、コンセプチャルかつ美しい作品を描いてくれています。
古いビルの壁に、徹底的に書き込まれた鉛筆画のタイトルは『共同体(仮設)』。
展覧会が終了すれば店舗工事が入り、全て塗りつぶされてしまう運命にあるこの作品は、既に本展のポスターを飾り、全国の美術館やギャラリーの壁に「移設」されていますが、上記の写真を見ての通り、まだまだ増殖中。
ぜひ夏の山形で、彼のたった一人のプロジェクトに立ち合ってみてください。
宮本武典/美術館大学構想室学芸員
2007.06.22:
miyamoto
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開催まで2週間を切った今年の『I'm here.』。
ですが、現在7階ギャラリーで開催中の『SHINJO SAITO -一心觀佛-』展の京都巡回が突然に決まり、また、来月中旬に公開予定の肘折温泉郷での灯籠プロジェクト『ひじおりの灯』が、プランがまとまりきらないまま、連日マスコミに取り上げられてしまうなど、いつも通りの拡大展開への対応で、バタバタと慌ただしく準備が進んでいます。
今回の最大の特徴は、はじめての地元・山形での開催、さらに市内のギャラリーやカフェなど、7ヶ所を同時に結んでの展観にあり、アートスポットのガイドマップも兼ねた本展のポスター兼フライヤーも好評をいただいていますが、この17,000枚のB2判印刷用紙は、全て地元企業の田宮印刷株式会社さんからの提供で賄うなど、地域との連携がよりクローズアップされてきたかたちです。
これまで仙台で開催していた『I'm here.』シリーズですが、地元に帰ったとたん、盛り上がりと反響が違うことに驚きました。この企画も、土地の力を借りる事で年々拡大+進化を続けているようです。
昨晩は、レセプションパーティー(7/7)を担当するプロダクトデザイナー集団『Link』と、パーティーで提供する「地産地消」をテーマにしたオリジナルフードについて夜遅くまでミーティングをしていましたし、他にも、日本の若手アーティストを取り巻く現状について、アートライターの白坂ゆりさんを招いての開催するディスカッション(7/8)開催など、昨年度の卒展テーマ『OUR ART. OUR SITE.』と『I'm here.』を混合させながら、ここ東北だからこそ可能なアートシーン創造に挑戦していきます。
詳細は既に〈Information〉で公開されていますので、ぜひチェックしてください。
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参加する作家たちの中でも、駅前のすずらん通り沿いにあるギャラリー『ぎゃるり葦』さんの協力で、「住み込み制作」を続けている後藤拓朗さんは、本展タイトル『根の街へ』をそのまま体現するような、コンセプチャルかつ美しい作品を描いてくれています。
古いビルの壁に、徹底的に書き込まれた鉛筆画のタイトルは『共同体(仮設)』。
展覧会が終了すれば店舗工事が入り、全て塗りつぶされてしまう運命にあるこの作品は、既に本展のポスターを飾り、全国の美術館やギャラリーの壁に「移設」されていますが、上記の写真を見ての通り、まだまだ増殖中。
ぜひ夏の山形で、彼のたった一人のプロジェクトに立ち合ってみてください。
宮本武典/美術館大学構想室学芸員