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◆立春朝搾り2007◆一年で一番長い一日

  • ◆立春朝搾り2007◆一年で一番長い一日
立春の朝に搾る酒がある。
この酒を楽しみに待ってくれている人がいる。

一切の手を加えずにそのまま瓶に詰める酒である。
酒屋が蔵に出向き自らラベルを貼る入魂の酒なのである。

夜も明けぬ早朝の酒蔵で酒質を語る杜氏を皆が見つめている。
その安堵の表情に自信の程が伝わってくる。

帰途の路上は吹雪でワイパーが凍り付き見る見る視界が狭くなってきた。
代替えの利かない特別なこの酒を無事に届けなくては。
ハンドルを握る手に思わず力が入る。

毎年一度、酒屋の原点を再確認する貴重な一日。
そんな立春の日の長~い一日を画像で振り返ります。
2007.02.05:maru8:コメント(27):[地酒あれこれ]

◆限定吸水◆

  • ◆限定吸水◆
1月25日、N酒造さんへ酒を頂きに伺ったら、丁度限定吸水の作業が始まるグッドタイミング。
今日の作業分は明日の蒸しを経て惣邑の仲添えに使用する分との事。
限定吸水とは精米した米に予め設定した比率の水を吸わせる作業で、米を洗う時間、浸す時間をストップウォッチで正確に計測しながら行う作業。
設定した吸水比率を得るためには米の品種と精米歩合が同じでもその日の水温により時間が変わってくるのだとか。
以前この作業をお手伝いした時は無我夢中だったが水の冷たさと腰が疲れた事だけは覚えている。
下の画像は吸水前の酒米、羽州誉 精米50%、米というよりまるで純白のビーズのようだ。
2007.01.26:maru8:コメント(0):[地酒あれこれ]

◆消雪装置の付替え◆

  • ◆消雪装置の付替え◆
1月22日、朝から快晴、相変わらず雪は降らないがダイヤモンドダストがキラキラと舞い気温はかなり低い。
開店時間に暖簾を出したら店前の路上が何やら騒がしい。
出てみると水道設備屋さん達がドリルで何かを掘り出しているようだ。
何をしているのか訊ねてみると「消雪装置の散水部分の取替え」をしていると云う。
通常の年ならば今頃は四六時中休み無く水を出しているはずなのに今年は活躍の機会も少ない。
子供の頃は路上に積もった雪をブルが押して行く度に外に出て入口に残された重い雪を片付けていた。
それ以前は積もりっぱなしの路上から雪に階段を付けて出入りしたりひどい所では二階から出入りしたという。
春になるとどこの町内でも家族総出で路上に出てツルハシやスコップで氷状になった雪の層を取り除く「雪割り」という作業をしたのだと聞く。
無舗装の路上であった為、厚い氷の下から顔を覗かせた半年振りに目にする土を見つめては春の訪れを感じたものだという。
確かに道路に消雪設備ができた恩恵は計り知れない。
けれど便利さと引換えに失ったものも多いのではと思う。
小学生でさえ携帯電話を持ち歩く今の社会では「力を合わせて生きる」という概念さえ風化してしまったかのようだ。

◆最上川 千本だんご◆

  • ◆最上川 千本だんご◆
1月18日、長井商工会議所が主催する日帰り研修に参加した。
今回の研修タイトルは“いけてるお店がんばる店主からパワーをもらおう”というもので出発前から興味深々。
さて向かった先はバスでたっぷり二時間半はかかる大石田町。
この人口1万人にも満たない町で原材料に拘っただんごで評判のお店があるという。
‘添加物一切無しの本物ですからすぐ固くなります’が謳い文句で注文を受けてから餡を付け、ぜひ出来立てを食べてほしいというのがポリシーのよう。
ご夫婦でがんばられ昨年新店舗をオープンされたとの事で今回の講師でもあるオカダデザインの岡田先生が手掛けられた店舗は大石田らしさが随所に感じられるようにとの想いが伝わる。
元々は豆腐屋さんだとの事で豆腐製造の際に出る蒸気を利用して自家用だんごを作っていたのが始まりらしい。
だから店内にはこちらも原材料を吟味した‘秘伝’という名の豆腐が並ぶ。
店主の言葉で特に心に残ったのは「ごまかしの無い本物の味と尊敬する先達の言葉を信じて頑張り続けた事が今に繋がっている」、「原材料の提供者も喜び、自分も喜び、お客様も喜ぶ‘三方善の経営’さんぽうぜんの経営を念頭に置いている」、「秘伝豆を初めとした大石田の地産品を材料に郷土の文化や風土を味に託している」など。
後から頂いただんごの味わいには店主の人となりが加わって格別のものがありました。
しっかりパワーを頂戴しましたよ。
善き人との出逢いに感謝!

最上川千本だんごのホームページはこちらから
2007.01.19:maru8:コメント(3):[美味いものあれこれ]

◆小正月の伝統行事◆ヤハハエロ

  • ◆小正月の伝統行事◆ヤハハエロ
小正月の伝統行事ヤハハエロは前年の神社の御札や正月飾りを焚き上げて一年間の無病息災を祈る伝統行事。
地域によっては「サイト焼き」、「ドント焼き」などと呼ぶ所もあるらしい。
長井地方ではヤハハエロの名称で町内毎に小学1年から中学3年までの子供が所属する子供育成会が主催しているのが一般的。
当店が立地する横町地区では今年は13日に開催された。
子供達が家々を廻って集めた御札や正月飾りを萱を束ねたものに括り付ける。
今年は達磨の数が多いのが特徴のよう。
少年の頃、集めに廻る際にもらえるお菓子が嬉しかった記憶が甦った。
今の子供達の喜ぶ表情もあの頃と変わらず心が和む。
さて気になるヤハハエロの語源であるが側らでコップ酒を酌み交わしていた神社の宮司によれば「厄を祓えよ」が訛ったものとか。
振る舞い酒が全身に沁みてなるほどと肯く。
燃え盛る火を見つめていたら何故か癒されて心地良い安心感に満たされた。