レインボープラン推進協議会

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 レインボープラン推進協議会では「地元農産物を活用した名産品づくり調査研究事業」の一環として、野菜の下処理加工の調査や研究に取り組んでいます。

 生産者からの「規格外野菜や収穫最盛期の生産過剰ぎみの野菜を活かしてほしい」という要望と、事業者からの「下処理をしてもらえばもっと手軽で、使いやすくなる」という声を受けて、市外の加工場に依頼し、えだまめ(秘伝)、にんじん、かぼちゃの乾燥パウダーを試作しました。

 できあがった野菜パウダーの風味や使い勝手を市民のみなさんに試してもらおうと、専門家に依頼し、家庭や飲食店向けのレシピを開発中ですが、この度、親子で楽しめる菓子のレシピが完成し、関係者が参加しての試食会が行われました。

 試食会のお菓子レシピは、生地に野菜パウダーを混ぜ込んだ、えだまめとかぼちゃのクレープ。どちらも野菜そのものの風味と色が活かされ、やさしい味わいに仕上がりました。

 試食会の参加者からは、野菜の甘みが出ていた、香りも残っていてよかった、野菜嫌いの子どもに食べさせたいなどの声が聞かれました。

野菜パウダーは活用の幅が広く、家庭でもいろいろな料理に使えそうという意見も出されました。

 3月には、試食会のレシピをもとにした親子でのお菓子づくり体験会を予定しています。興味をお持ちの方はぜひご参加ください。
(詳細は2月15日号でお知らせします。)


実習を交えての試食会の様子


できあがった「えだまめクレープ」

広報ながい 2013年2月1日号内「虹の郷発希望行き」掲載記事



山形新聞社の各支局が歳末報道シリーズの一環として、毎年、所管自治体の取材ノートから、年間の話題や課題・展望などを囲み記事として載せています。

2012年12月21日付山形新聞記事 3市5町取材メモから
noujyou_sinbun.pdf


「レインボープラン」が、マスコミに登場して、かれこれ4分の1世紀になります。
 当初は、まちづくりの一環として生ごみの堆肥化を取り上げ、農業の活性化と環境対策などの取り組みに大きな紙面を割いて紹介していただきました。事業が具体化して環境白書や農業白書に取り上げられると、全国からマスコミの取材が入り、国や県は勿論、離島の自治体や農業団体、環境団体、更にまちづくりなどの民間団体、大学、名だたるシンクタンクなど多くの視察者がお出でになりました。その対応に行政(市)も追われて、「市民ガイド」が誕生したり、各種の表彰をいただいたり、そのつど新聞社の皆さんにお世話になりました。
 その当時、レインボープランはこの歳末シリーズの常連として、次年度の期待をこめた話題として毎年のように取り上げていただいていましたが、その後は、環境関連の法律が整備され、生ごみ堆肥化が話題になることも少なくなっていました。

 そんな中、今年度久方ぶりに、「レインボープラン」の活字が「NPO法人レインボープラン市民農場」の被災者支援事業の取り組みを通して、「明るい話題の分野」としてとりあげられました。
山形県からの委託事業である被災者交流事業の一環として開催できた「相馬野馬追太鼓演奏と交流会」の写真が囲み記事に掲載され、とかく震災のことや、避難者のことなどが風化することに警鐘が流されていた時期でもありうれしい記事掲載となりました。
 レインボープランは、市民と行政がともに取り組んでいる事業であり、過去に山形県の「協働のまちづくり」の魁として位置づけられてもいた、全市民3万人の事業であります。来年も市民の皆様が、それぞれの分野で取り組み、市の発展に役立つようがんばろうではありませんか。(t)

 平成23年度に実施した「おいしいレインボープラン研究開発事業」では、生産者が心を込め手間ひまをかけて栽培したレインボー野菜が形を変え、個性豊かなレインボー野菜スイーツが誕生しました。

 その取り組みの中で、生産者からは「規格外の野菜や収穫最盛期の生産過剰ぎみの野菜を活かしてもらえないか」。また事業者からは、「野菜を下処理加工してもらえば一年を通して手軽に使えるんだが」という要望が出されました。

 その要望を受けて、今年度は長井の安心安全な農産物を活用した下処理加工の調査や研究に取り組んでいます。それら下処理加工品が市内で製造されるようになれば、長井の名産品づくりにつながったり、飲食店や家庭で地場農産物がもっと利用しやすくなるのではないかと期待しています。

そこで、プロジェクト会議で話し合い、専門家の助言を受けたりしながら様々な加工方法を研究していますが、その中から「野菜の乾燥パウダー」を試作してみることになりました。市外の加工場に依頼し、えだまめ(秘伝)・にんじん・かぼちゃの3種類を製造。どれも素材の色と風味が活かされたパウダーに仕上がりました。保存性に富み調理方法のバリエーションも広がりそうです。

 現在は、その野菜パウダーを使ったお菓子と料理のレシピを開発中です。
また、試食会やレシピを使っての親子でのお菓子づくり体験会も予定しています。
 生産者の思いがつまった野菜たち。作る人、食べる人の期待も加わって姿を変え生まれ変わります。どんな姿になるか、楽しみにお待ちください。



専門家を招いての第1回勉強会の様子

広報ながい 2013年1月1日号内「虹の郷発希望行き」掲載記事

今年も明治大学農学部食料環境政策学科共生社会論研究室の3年生10名が、10月29日から11月4日までの日程で長井市を訪れました。

5年目となるこの現地研修は、講義だけでは学ぶことのできない現場の人と人が生み出す「空間」を体感し、レインボープランを学ぶものです。

 レインボープランの仕組みができるまでの経緯や行政と市民の協働のしくみを、関係者への聞き取りから、また農家へのインタビュー、市民への街頭アンケートなどのフィールドワークを通して学び、地域コミュニティーのあり方、市民パワーの重要性などについても調査しました。

 そして、研修の最終日には成果発表会が行われました。
学生たちから見た長井市の印象、レインボープランに対する市民の意識、そしてレインボープランの今後について、新鮮な発想での成果発表会となりました。

学生たちが注目したのは「循環」という考え方。生ごみの堆肥化を通じて、消費者と生産者がつながる循環の輪に参加していることは長井市民の幸福感につながっているだろうか、という視点に立った発表や、同じ地域に暮らす者として、職域を越えて協力しあうという姿を「貢献の循環」と捉えた発表がされました。

 また、循環と地域の支え合いを体感できるレインボープランならではの特長を活かした、アグリセラピーという具体的な提案もされました。
就職活動など様々なストレスや悩みを抱える学生を、レインボープラン市民農場や認証生産者が援農ボランティアとして受け入れるもので、学生が農業体験を通じて自分や社会を見つめ直す一方で、市のPRや定住促進へつなげるという内容でした。

「人と人とのつながり」がもたらす循環の輪は、レインボープランを核としたまちづくりの大事な要素です。限られた日程の現地研修でしたが、学生たちはそれを確かに感じたようでした。

 自分が人の役に立っている、貢献していると実感できることが、誇りや幸福感につながり、人と人が支え合う「循環型地域づくり」につながっていくのではないでしょうか。
 
【生ごみ出し見学の写真】


生ごみ出しや街頭アンケートなどに協力くださった市民の皆さん、ありがとうございました。

広報ながい 2012年12月1日号内 「虹の郷発希望行き」掲載記事

 今日、タスビルで観光シンポジュウムが開かれました。
都合で、基調講演の纏めの部分からの途中参加。パネルディスカッションをお聞きして大変勉強になってきました。
しかし、次のことを発言したかったのですが、時間がないとのことで、最後にさわりの部分のみ発言をしてまいりました。言い足りなかった部分を含め次にメモしましたので皆様のご意見を頂きたいと思います。

◎現在、市の第4次計画にもレインボープランは、農業や環境には勿論、商工、観光などにも敷衍して活かせるツールとして位置づけられているし、3年前までの7、8年間(?)は、立派な市勢要覧資料「ながいのあらまし」の最初の見開き2ページにわたり「これがレインボープランだ」と内外にアピールしています。中央官庁のこれまで御世話になった数少ない方々からも「こちらでは長井のレインボープランは知らないひとはいない。がんばれ」と激励を受けることが多くありました。国の白書、教科書などこれほど対外的なアピール効果のあった事業は過去を見ても多くはないでしょう。視察者も多数、国際的にも評価がなされていると見ています。
 
◎レインボープランは更に国・県の助成・市は借金までして未来志向の大プロジェクトとして進めています。ソフト事業で色あせもせず市民の力で継続されている事業は全国的にも多くはないと思います。

◎多くの市民と行政がともに取り組み「協働のまちづくりのモデル」として山形県がNPOを推進する当初の段階で、推進事業のPRに使われてきました。

◎グリーンツーリズム関係(教育旅行など)にもまだ未熟ではあるが対応しています。理念がすばらしいと、仙台市の中学生など、他市からバスで生徒を連れて来る学校も後を絶ちません。

◎過去のデストネーションキャンペーンにもエントリーさせていただきました。1年だけで効果がでるなら苦労はありません。何とか続けて欲しいと思っていました   

◎これまでたくさんの表彰をいただいたが、これはレインボープラン関係者の受賞ではなく、行政を含め全市民が受賞者なはずです。・・・

◎そして震災後は、「新しいまちづくりの原型がレインボープランにあった」と改めて関係先から評価され、本年3月には、全国地方紙と共同通信が募集した「地域再生大賞」の優秀賞もいただきました。  

◎先月、明治大学農学部の学生さん12.3名が1週間、これからの地域づくりのケーススタディーとして長井市で宿泊研修を積まれたが、長井は癒しの空間がすばらしい、学生の中には精神的な課題を抱えて悩んでいる者が多いが、ここで農作業体験をさせてもらえれば双方にメリットがあるのではないかとの提案がありました。大学の研修は、明治大学のほか、2校が同様の研修を長井ではじめています。
 これまでレインボープランで長井市を訪れた方々は、ほとんど通年型。宿泊、フラワー長井線、タクシー、お土産、リピーターとなり「その後のレインボープラン」を尋ねる方々も少なくありません・・・(情報提供に手も資金も回らず市民の皆さまにお伝えできないもどかしさをいつも感じています。)

◎過日の上甲晃氏(元・松下政経塾の副塾長として多くの政治家を育てられ、現在「青年塾」を主宰し、塾生教育のフィールドワークとして長井市を1年おきに宿泊研修地として、これまでも5、6回訪れている。)の講演でも、長井市はこれからのまちづくりのモデルになりうる要素を持っていると絶賛しておられました。(だから継続して研修地にしているのでしょう。なお、この講演会は長井市報で周知していました。)・・・・、

 今日は、市民の皆さまに関係者の一人として、またこれまでの力不足を感じてきました。というのは、「レインボープラン」について今日のシンポの資料には、一文字も、また、壇上からは一言の発言もなかったこと(都合で、途中参加なので基調講演の前般で触れてくださっておられていたら失礼)に悲しくなり、最後に、以上の一部を述べ、ぜひレインボープランも観光振興のツールとして検討の対象にして欲しいと発言してきた次第です。(横山太吉・元レインボープラン推進協議会会長)

ある日の菜なポートでのこと、売れ残った農産物をトレーで運ぶ生産者の姿。
トレーの中にはレインボープラン認証シールの貼られた農産物が少なくなく入っています。ため息をはきながら運び出す生産者の後姿はとても寂しげです。

レインボープランが始まったのは15年前。化学肥料や農薬に依存しすぎた戦後の農業が、市民の食生活や生産現場を蝕む現実を見つめ、百年後のまちづくりを見据えて、「土の健康と台所の健康づくり」が域内で回り続ける仕組みとして生まれました。

 中央地区から出される未利用だった生ごみが、ていねいに分別され、コンポストセンターで堆肥化され、農地にすきこまれます。

 土の中の微生物たちは堆肥を食べ、排泄物によって土をミネラルなどの栄
養素に富んだふかふかな状態に保ちます。

 私たちは、その土で育った野菜を通して、ミネラルなどの栄養を受け取っているのです。そして、それらは幼い子どもたちの健全な味覚を早い時期につくり、また心身の健やかな成長にも欠かせない栄養素となるのです。

レインボープラン認証農産物づくりは、農薬や化学肥料を控える分、草取りや手作業で虫を取るなど、けっして楽な仕事ではありません。その苦労や手間をかけ生産された農産物の証として貼られるのが認証シールです。

 認証シールは地産地消に加えしっかりした栽培履歴(その農産物がどのような肥料・農薬を使って栽培されたかの記録)の裏づけがあり、消費者もレインボープランに参加している証でもあるのです。

「まち(消費者)が、むら(農家)の土の健康を守り、むらがまちの台所の健康を守りかえす」。レインボープランの考え方のひとつでもあるこの言葉の意味は、まさに健康な土からスーッと芽生えた農産物をデザインした丸い小さな認証シールの中に、生産者の思いとともに込められています。

 しかし、もう一方の消費する側が、生ごみの分別だけにとどまってはいないでしょうか。認証農産物が市民の台所に届いて初めて生産者の汗が報われます。
生産者の笑った背中が見たいものです。



このシールがレインボー農産物の目印です
(実物はカラーです)

広報ながい 2012年11月1日号内 「虹の郷発希望行き」掲載記事