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快適な住環境の熱について

今回は、住環境の熱について考えます。

 

快適な住環境は熱のコントロールが不可欠!!

住宅の温熱環境を快適に保つためには、住宅から逃げる熱と住宅に入る熱をコントールしなければなりません。太陽による輻射熱を夏は防ぐ工夫が必要となり、冬は採り入れる工夫が必要です。さらに伝導熱についても考えておかなければなりません。そのために重要なのが住宅の断熱化と気密化です。住宅の断熱化は、気密化と一体化したものとして考えなければなりません。断熱材だけをいかに厚く施工しても気密施工が悪ければ、むしろ昔の住宅では考えられなかった内部結露など、様々な住宅の欠陥を引き起こす原因になってしまうからです。

では、次回は輻射熱について考えます。

(暑い日が続きますが熱中症にご注意ください)

2018.07.15:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

減湿と快適冷房

前回は、夏の室内環境を快適にするには、いかに湿度をおさえられるかが重要と、お話しました。

と言うことで、今回は減湿と快適冷房のお話をご紹介します。

 

減湿と快適冷房

空気中に含まれる水分を除去し、低湿度にすることを減湿、または除湿といいます。夏期の冷房時には、高温多湿の空気が空気冷却器で急冷却される時に結露し、空気中の水分が水滴として分離され、空気冷却器からドレン管により室外に排除されます。つまり空気冷却器が減湿器の役目を果たしているのです。エアコンで除湿すると、涼しく感じるのは除湿によって水蒸気に含まれる潜熱(湿気)が排除されるため、温度はかわらなくても体感温度が低くなり、涼しく感じるのです。

 

おまけのお話です。

扇風機の活用

エアコンを低速で運転しながら扇風機を活用すると、冬期に使用するサーキューレーターのように室内に微風が起こり体感温度が下がりますから、エアコンの効きが格段に良くなったように感じます。扇風機など古い、と侮れない省エネ効果があります。マイナスイオンを発生させる多機能の扇風機などもありますから、エアコンと併用して使用してみてはいかがでしょうか。湿度が低い日には、逆に扇風機だけでも十分な場合もあります。

 

次回は住環境の熱について考えます。

 

2018.07.08:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

顕熱と潜熱

今回は、前回ご紹介したとおり顕熱と潜熱について考えます。

 

顕熱とは、直射日光や直火の熱

たとえば、0℃の水の温度を100℃まで上げるための熱を「顕熱」といいます。これは直接、温度計で測ることが出来る熱であり、直接、肌で感じることが出来る熱のことです。太陽光や焚き火の熱、ガスコンロや石油ストーブなどの熱が顕熱といわれるものです。

 

潜熱とは、人体の場合は湿気を含んだ蒸し暑さ

100℃まで温度が上昇した水は、それ以上温度は上昇しませんが、今度は水蒸気となって蒸発していきます。このように蒸発の為に必要な熱量のことを「潜熱」といいます。顕熱と潜熱の関係は、氷でも同じことがいえます。0℃の氷が0℃の水に変化するには、0℃の氷に93.04w/(m・k)(80kcal/kg)の熱量が必要です。この熱量が潜熱といわれるものです。潜熱とは、このように氷から水へ、水から水蒸気へと物質の状態変化にのみ費やされる熱量のことをいいます。人体への影響では、乾燥感や蒸し暑さとして感じられる湿気を含む熱のことです。

前にもご紹介しましたが、温度は同じでも相対湿度が高い場合には、潜熱(湿度)により熱発散が阻害されて鈍くなり、汗の発散(蒸発)もスムーズにいかないので、不快な感じを受けるのです。梅雨時など無風の状態で感じる蒸し暑さは躰から発散した湿度が除湿されないための現象です。夏の室内環境を快適にするかは、いかに湿度をおさえられるかが重要ですね。

2018.07.01:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

湿度の高さで寝苦しさが違う

今回も湿度について考えていきます。(以前にもご紹介した記事ですが、この時期ですので再度ご案内します)

寝苦しい夏の日を想像してみましょう。例えば気温28℃の場合に、雨の日は汗がだらだらで寝苦しいのに、晴れた日の夜は涼しく感じられます。これは、湿度の違いによるものです。気温28℃で湿度90%と、気温28℃で湿度60%以下とでは、同じ28℃の気温でも暑さの感じ方が全然異なります。温度が同じでも快適性が異なる、このような現象は顕熱と潜熱の関係で説明することができます。

と言うことで、次回も湿度にかかわるお話しで、顕熱と潜熱について考えます。

2018.06.24:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

同じ温度でも南の島はなぜ涼しい

梅雨に入りましたね。むしむし・じめじめ嫌な季節がやってきました。と言うことで、夏の住環境について考えてみましょう。今回は『同じ温度でも南の島はなぜ涼しい』です。

30℃をはるかに超える温度条件でも、南の島国の住民は椰子の葉陰にハンモックを吊って涼しげに昼寝をしています。日本ではとても考えられない光景です。日本の夏は、30℃を超すとエアコンがなければ、ほとんどが生活に困難になるほどです。理由は湿度が70~80%以上と高いからです。南の島は同じ30℃でも湿度は50%以下です。直射日光さえぎれば、30℃でも海風の微風で気持ちよく生活ができるのです。これは高原の爽やかさとも通じる湿度の低さが原因なのです。

日本の夏は湿度の高さが問題なんですね。次回も湿度について考えたいと思います。

 

2018.06.17:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]