顕熱と潜熱

今回は、前回ご紹介したとおり顕熱と潜熱について考えます。

 

顕熱とは、直射日光や直火の熱

たとえば、0℃の水の温度を100℃まで上げるための熱を「顕熱」といいます。これは直接、温度計で測ることが出来る熱であり、直接、肌で感じることが出来る熱のことです。太陽光や焚き火の熱、ガスコンロや石油ストーブなどの熱が顕熱といわれるものです。

 

潜熱とは、人体の場合は湿気を含んだ蒸し暑さ

100℃まで温度が上昇した水は、それ以上温度は上昇しませんが、今度は水蒸気となって蒸発していきます。このように蒸発の為に必要な熱量のことを「潜熱」といいます。顕熱と潜熱の関係は、氷でも同じことがいえます。0℃の氷が0℃の水に変化するには、0℃の氷に93.04w/(m・k)(80kcal/kg)の熱量が必要です。この熱量が潜熱といわれるものです。潜熱とは、このように氷から水へ、水から水蒸気へと物質の状態変化にのみ費やされる熱量のことをいいます。人体への影響では、乾燥感や蒸し暑さとして感じられる湿気を含む熱のことです。

前にもご紹介しましたが、温度は同じでも相対湿度が高い場合には、潜熱(湿度)により熱発散が阻害されて鈍くなり、汗の発散(蒸発)もスムーズにいかないので、不快な感じを受けるのです。梅雨時など無風の状態で感じる蒸し暑さは躰から発散した湿度が除湿されないための現象です。夏の室内環境を快適にするかは、いかに湿度をおさえられるかが重要ですね。

2018.07.01:m-seino:[清野 光芳/レポート集]

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