山形在来作物研究会
10/30(日)「食の甲子園やまがた大会」に出席
在来作物や地域の文化を次の若い世代にいかに伝えていくかは大きな問題です。
10月30日(日)山形学院高等学校において第1回「食の甲子園やまがた大会」が開催され、審査員の一人として参加してきました。主催は「おいしい山形の食と文化を考える会」(会長:早坂 稔氏)。県内の高校生に山形の伝統的な食材を使った新しい料理を考えてもらおうとレシピを募り、前審査で入選した10校が本日、調理実技を行い最終審査に臨みました。
「伝承料理」と「創作料理」の2部門でそれぞれトップに輝いたのは、高畠高等学校の「大宮講料理」と、村山農業高等学校の「ほうれん草の肉団子トマト煮」。前者の大宮講は江戸時代から地域の嫁が毎月集って姑から学んだ料理の技術を披露し合うなど様々な情報交換の場にしていたそうです。そうした地域の歴史と思いを、若い高校生たちが地元のおばあさんたちから学んで料理を復活させた意義はほんとうに大きいと思います。白和え、ゆり根のあんかけ、栗きんとん、煮物などの味はいずれもどこか懐かしくて温かい味がしました。
一方、後者の料理に使ったほうれん草は数十年にわたり山形市風間地区で選抜が続けられてきた在来の「山形赤根ほうれん草」でした。このほうれん草を刻んで山形牛の肉団子に混ぜ、イタリア風のトマトスープで煮た料理は、一本の筋をもつしっかりした美味しさをもっていました。若い世代らしい発想であるとともに、地域の歴史を織り込んだすばらしい創作料理でした。
出品された10校の料理はどれも私の想像をはるかに上回るすばらしいものでした。高校生が自らの地域を振り返り、見事なアイデアで地元の食材や文化を伝える力を持っていることを目の当たりにして、県内の高校生たちを心強く思いました。ふだん若い人たちは在来作物に関心が薄く伝えることは難しいかもしれないと思っていたのですが、思い違いでした。今必要なのは、次世代に伝えるためのこのような「きっかけ」なのですね。食の甲子園を企画してくださった関係者の皆様、準備はさぞ大変だったと思いますが、ありがとうございました。
2005.10.31:
江頭宏昌
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10月30日(日)山形学院高等学校において第1回「食の甲子園やまがた大会」が開催され、審査員の一人として参加してきました。主催は「おいしい山形の食と文化を考える会」(会長:早坂 稔氏)。県内の高校生に山形の伝統的な食材を使った新しい料理を考えてもらおうとレシピを募り、前審査で入選した10校が本日、調理実技を行い最終審査に臨みました。
「伝承料理」と「創作料理」の2部門でそれぞれトップに輝いたのは、高畠高等学校の「大宮講料理」と、村山農業高等学校の「ほうれん草の肉団子トマト煮」。前者の大宮講は江戸時代から地域の嫁が毎月集って姑から学んだ料理の技術を披露し合うなど様々な情報交換の場にしていたそうです。そうした地域の歴史と思いを、若い高校生たちが地元のおばあさんたちから学んで料理を復活させた意義はほんとうに大きいと思います。白和え、ゆり根のあんかけ、栗きんとん、煮物などの味はいずれもどこか懐かしくて温かい味がしました。
一方、後者の料理に使ったほうれん草は数十年にわたり山形市風間地区で選抜が続けられてきた在来の「山形赤根ほうれん草」でした。このほうれん草を刻んで山形牛の肉団子に混ぜ、イタリア風のトマトスープで煮た料理は、一本の筋をもつしっかりした美味しさをもっていました。若い世代らしい発想であるとともに、地域の歴史を織り込んだすばらしい創作料理でした。
出品された10校の料理はどれも私の想像をはるかに上回るすばらしいものでした。高校生が自らの地域を振り返り、見事なアイデアで地元の食材や文化を伝える力を持っていることを目の当たりにして、県内の高校生たちを心強く思いました。ふだん若い人たちは在来作物に関心が薄く伝えることは難しいかもしれないと思っていたのですが、思い違いでした。今必要なのは、次世代に伝えるためのこのような「きっかけ」なのですね。食の甲子園を企画してくださった関係者の皆様、準備はさぞ大変だったと思いますが、ありがとうございました。