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浜田廣介(はまだひろすけ)日本のアンデルセン
1893-〜1973
童話作家 児童文学者
東置賜郡屋代村大字一本柳生れ。農家浜田為助の長男。米沢中から早稲田大学英文科に入学、入学の年に「万朝報」の懸賞小説に短編「零落」が入選したのを最初として、いくつかの小説を発表し、「途暗し」は北村透谷賞を受賞している。また他方童話にも情熱を燃やし、大正5年に書いた処女作「黄金の稲束」が「大阪朝日新聞」の懸賞に1等入選、選者の巌谷小波より作者の善意性がくまれ、以後「善意を旨として」を自己の創作のより拠とする。
早大卒業後、春秋社に勤めたが、間もなく児童雑誌「良友」を編集、「花びらの旅」「一つの願ひ」などを同誌にのせ童話作家の志を確立。
精華書院、実業の日本社に勤務、12年の関東大震災以後、文筆生活を決意、その北方郷土性と、農家に生れたことに起因する重農主義と、宗教性を漂わせた童話を書き、小川未明とともに小波のお伽噺を近代的童話に昇華させた。
広介は東北人らしいねばりと誠実な人がらで大正・昭和の50年以上を約1000編におよぶ童話を書きつづけ、戦後の児童文学の盛況をもたらす先駆的役割をつとめたが、その業績にたいして昭和15年、日本文化協会より児童文化賞、17年には野間文芸奨励賞、28年には芸能選奨文部大臣賞が与えられ、32年には「浜田広介童話選集」に産経児童出版文化賞が与えられた。
また日本児童文芸家協会の初代理事長、会長に就任した。
38年5月古希を祝い郷里広介会が中心となり、鳩峰高原に「むく鳥の夢」の童話碑、40年秋母校屋代校の校庭に「道ばたの石」の詩碑が建てられた。
47年11月、高畠町初の名誉町民に推された。郷土にちなんだ書・詩・文集「折節の歌」(浜田広介墨跡保存会)をまとめて、永眠。
48年11月27日、日本児童文芸家協会葬で、その功績を偲んだ。
日本近代文学館「日本近代文学事典」より引用
代表作
「泣いた赤おに」「花びらのたび」「龍の目のなみだ」「むく鳥のゆめ」など
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