鈴鳴草子 〜鈴の宿 登府屋旅館〜

当方見聞録 essay
これぞ天下の上杉節 2番

川中島は霧のなか
戦機は熟せり乱れ龍
宿敵信玄なにものぞ
長蛇を逸する七つ太刀



本日は、2番を特集です。


「川中島は霧のなか 戦機は熟せり乱れ龍 宿敵信玄なにものぞ」

戦国史上、最大の激戦といわれる第4次川中島の合戦の八幡原の戦いを歌っています。

上杉謙信は一万三千の兵を要し、川中島を見下ろす妻女山に陣を置きました。

対する武田信玄は二万の兵を率いて、ふもとの海津城にいました。


武田の軍師・山本勘助は、「啄木鳥(キツツキ)戦法」を提案しました。

軍を二手に分け、別働隊を夜中のうちに密かに妻女山に移動させ、夜明けに一斉攻撃。

上杉軍が山から逃げ降りるであろう川中島に予め布陣し、待ち構えた本隊が挟み撃ちをするという作戦です。


ところが、上杉謙信は、海津城の飯炊きの煙が多いのを見て、武田軍の動きを察知。

かがり火や旗さしものをそのままにして妻女山を下り、夜の闇に乗じ、ひそかに千曲川を渡り、八幡原に陣を置きました。

謙信の天才的な戦のセンスがわかる英断です。


上杉軍が妻女山に布陣したのは、20日以上も前のこと。

つまり、ひと月近く海津城の武田軍とにらみ合っていたわけです。

謙信にしてみれば、濃い霧と武田軍の動きに「これを待っていた。まさに今しかない」という思いだったことでしょう。



「長蛇を逸する七つ太刀」

夜明けとともに武田軍の別働隊は、上杉軍がいるはずの妻女山を奇襲します。

しかし、そこはもぬけの殻でした。


川中島で待つ武田本隊。

霧が晴れてみたものは・・・なんと、いるはずのない上杉の軍勢でした。

上杉軍は「車懸りの陣」で攻め込み、武田本軍は「鶴翼の陣」で応戦します。

相手の裏をかき、戦術で上回った上杉軍は、一気呵成に武田の陣内へ攻め入ります。

混乱のなか、武田の軍師・山本勘助や信玄の弟・左馬助信繁はじめ大物武将が討ち死にをしてしまいます。

手薄となった武田信玄の本陣に、萌黄色の衣服に黒糸緘の具足をつけ、白頭巾を被った上杉謙信が単身現れます。

三尺余りの大太刀「小豆長光」を振りかざし、馬上から信玄めがけ切りつけます。

謙信は、三太刀斬りつけ、信玄は軍配でこれを防いだものの、肩先を負傷してしまいます。

もはやこれまでか!

間一髪で駆けつけたのが、武田方の原大隅。

信玄の槍「青貝」を使い、馬上の謙信をめがけて突き出したが逸れ、謙信の馬を傷つけ、驚いた馬は跳ね上がり、謙信は去ったといわれています。

九死に一生を得た信玄が、刀を受けた軍配を見ると三度しか受けていないはずの軍配には七つの刀傷がありました。

これが、有名な三太刀七太刀のシーンです。


昼過ぎ、妻女山にいた武田軍の別働隊が、八幡原に到着すると形勢は逆転します。

上杉軍は、挟み撃ちをされる形となり、犀川を渡って善光寺に退き、激戦は幕を閉じます。


武田軍の裏の裏を読み、山を降りて戦を仕掛ける様を江戸時代の陽明学者・頼山陽が漢詩にしています。


『題不識庵撃機山図』

鞭聲肅肅夜河を過る
  べんせいしゅくしゅく よるかわをわたる

曉に見る千兵の大牙を擁するを
  あかつきにみる せんぺいの たいがをようするを

遺恨なり十年一劍を磨き
  いこんなり じゅうねん いっけんをみがき

流星光底長蛇を逸す
  りゅうせいこうてい ちょうだをいっす


不識庵は上杉謙信の法号、機山は武田信玄の法号です。

謙信は馬の鞭の音も控えつつ千曲川を渡り、信玄の陣中近くまで押し迫った。
夜が明けて信玄がみたものは謙信率いる大群。
遺恨を胸に十年に亘り剣を磨いてきた。
今まさに信玄に対して奇襲攻撃をしかけた謙信であったが、まるで流れ星のように信玄が危機一髪で逃れ、又しても謙信は長蛇(信玄)を逸した。

◆字解
鞭聲 馬に当てるむちの音
肅肅 静かなさま
大牙 将軍のたてる旗
遺恨 残念、無念
流星光底 流星の飛ぶ光のごとく剣を抜きて切り下げた時の光をいう
長蛇 目指す大敵、ここでは信玄を指す


この漢詩と三太刀七太刀のエピソードから、「長蛇を逸する七つ太刀」という歌詞が生まれます。
これぞ天下の上杉節 1番

毘沙門天の旗じるし
われに勝利をたれたまえ
のろしは上がる春日山
謙信出陣 武てい式


米沢に住んでいると子供の頃から自然と耳に入り、いつのまにか覚えてしまう
「上杉節」。

改めて歌詞を読むと、上杉家の文化や習俗が凝縮されていることがわかります。

五番まである歌詞を解釈してみたいと思います。
「毘沙門天の旗じるし われに勝利をたれたまえ」

上杉軍では、隊列の順番により決まっている持ち物がありました。

一番手は、「毘」の軍旗。

謙信が軍神である毘沙門天を崇拝しており、上杉軍の守護神を毘沙門天としていました。

一番最初の部隊は、守護神である毘沙門天の頭文字「毘」を大きく書いた旗を持って先陣を努めました。


二番手は、関東管領上杉家の重宝「八幡の御弓」。三番手は、朝廷から拝領した「紺地日の丸」の旗でした。

「毘」とともに有名な「懸かり乱れの龍」の旗は、敵陣への総突撃時に使用しました。

「龍」は、仏教において不動明王を表します。

不動明王の持つ倶梨伽羅剣には龍が巻きついていて、この龍が仏敵を倒すと言われており、謙信の知識と信仰心の深さが見てとれます。


また、「刀八毘沙門」や「愛」と書かれた旗も残っています。

「愛」の一字は、直江兼続の兜と共通しますが、軍神である愛染明王の頭文字かと思われます。

当時の上杉軍は、謙信だけでなく配下の武将も信仰心が篤く、兜や旗に神仏の名を入れたり、像をかたどったりしました。

10センチにも満たない小さな仏像を戦地に携帯する者も多く、戦と信仰が深く結びついていました。

「毘」の旗は、上杉軍を守る最も重要な旗であり、常に先頭を行く心のシンボルだったと思われます。



「のろしは上がる春日山、謙信出陣武てい式」

謙信が、合戦に出かける前に必ず行っていたのが「武てい式」です。

まずは、謙信自ら護摩行を行います。

春日山城内の護摩堂にて五壇護摩を行い、炎で煩悩を焼き尽くします。

次に、不識庵という建物に入って座禅を組み、これから行う戦が本当に義に基づく正しい戦いかを自問します。

そして、毘沙門堂にて決意を固め、戦勝を祈願し、神前の霊水を水筒に納めます。

この一連の行事を「武てい式」と呼びました。

謙信がいかに神仏を大切にし、また義に則って戦ったかがわかります。


また、城下では「お立ち飯」と呼ばれる大盤振舞いが行われます。

山盛りに米が炊かれ、山海の珍味と酒が所狭しと並びます。

普段は質素な食事をしていた謙信ですが、合戦に出かける前には「大いに酒を飲み、大いに食らうべし」と士気を高めます。

遠征用の陣中食も作られますので、かまどでは絶え間なく米が炊かれ、その煙がもうもうと立ち上り、のろしがあがる状態となるわけです。

これが、「のろしは上がる春日山、謙信出陣武てい式」の歌詞につながります。
米沢にあるいい感じのカフェのご紹介。

ひよりカフェです。


写真は、マテ茶。

南米で飲まれているお茶だそうです。

ドリンクは、コーヒー、紅茶のほかにもハーブティーや、お酒も充実してましたよ。

マテ茶は、ハーブティーの一種で、くせもなく飲みやすかったです。

一緒に行った知人に聞いた話では、ゆっくり時間をかけて飲むとより体にいいらしいです。

マテ茶だけに・・・待て・・・という・・・。


ひよりカフェ
昨日、2009年の大河ドラマ『天地人』の記者会見がありました。

主演の妻夫木さんが、意気込みを語りました。

毎日新聞 該当記事


いよいよですね。

8月から撮影に入るそうです。

米沢には、「愛」の兜の実物がありますから、絶対にいらっしゃることでしょう。


さて、当館では「愛」の鎧兜で記念撮影モニターを募集中です。

お子様用の鎧兜なので、だいたい5歳前後のお子様が対象となります。

妻夫木さんより一足早く「愛の兜」で記念撮影をしてみませんか?

詳しくは・・・こちら
スリランカからいらしたウプラセナナヤカさま。

旅の思い出に雪灯篭に点灯していただきました。


他のお客様が、かまくらでラーメンを食べているのを見て、ビックリしてました。

かまくらに出前を頼めると説明すると納得していました。
来年の大河ドラマは、米沢の知将 直江兼続公を描く『天地人』です。

直江兼続公といえば、トレードマークは『愛』の兜。

このたび、当館にて「愛」の鎧兜を展示することが決定しました。


というのは・・・複製のお話。

本物は、上杉神社の宝物館に展示されております。

当館では、子供用の愛の稚児鎧を3月上旬から展示する予定です。


しかし、この鎧兜、飾るだけではございません。

実際にお子様が着用できるのです。

そこで、ぜひ着てみたいというモニターさんを募集いたします。

だいたい5歳から7歳くらいのお子様なら身につけて立てるのではないかと思います。


『天地人』の直江兼続役は、妻夫木聡さんが演じることが決まりました。

妻夫木さんより一足早く、愛の兜で記念撮影をしてみませんか?



愛の兜で七五三 モニター キャンペーン

・ご来館いただき、愛の鎧兜を着て撮影を行います

・撮影した写真を1部、記念に差し上げます

・ご来館日時は、調整のうえ決定させていただきます

・メールにてご応募いただいた方の中から、1名様をモニターとして抽選で決めさせていただきます


ご希望のお客様は、以下の項目にご記入の上、tofuya@tofuya.jp 宛てにメールにてご応募ください。


件名:  愛の兜モニター希望


1.保護者様 ご氏名

2.ご住所

3.電話番号

4.お子様のお名前

5.お子様の性別

6.お子様の年齢

7.お子様の身長

8.お子様の体重

9.ご来館いただける曜日、日程などの希望

10.意気込み


応募締切 平成20年2月29日(木)

なお、モニターとして撮影したお写真は、当館の広告宣伝活動に使用させていただきますので、その点ご了承くださいませ。

当選者は、当館のブログにて発表させていただきます。
雪が降り続いています。

こう寒いとついつい背筋を縮めて歩いてしまいがちですが、寒さにめげず急成長をとげているものが・・・。


つららです。

屋根の下には2mのつららがいらっしゃいます。

危ないので排除しましたが、寒い日が続くと伸びるんですよね。

人間より大きなつららのお話でした。
先週末、大いに盛り上がった雪灯篭まつり。

ちょっとタイミングを逃してしまいましたが、期間限定の『雪灯篭ラーメン』を食べてきました。

伝国の杜の向かい側にある、上花輪さんです。


なぜ雪灯篭かといいますと・・・

ベースは、お店で一番人気の味噌ラーメン。

その上に、雪に見立てたたっぷりの白髪葱を乗せまして、自家製の赤味噌で火を灯します。

ちょうど味噌ラーメンを食べたかったので、二度おいしい感じでした。

寒い季節の味噌ラーメンは、体がポカポカになっていいですよね。


上花輪 Yahooグルメ
ただいま、実施中のキャンペーン『春の宿まつり』。

当館ウェブサイトからご予約のお客様が、30番目ごとに1人その場で無料になるというものです。

ついに、当選者がお泊りにいらっしゃいました。

そのラッキーなお客様は・・・


登府屋旅館 公式ウェブサイト でご確認ください。

引き続き『春の宿まつり』は開催中ですので、次は60番目を目指してご予約ください。

...もっと詳しく
「焼きカツ」のお店があるというので、行ってみました。

場所は、山形市の成沢地区。

新しくできた道路沿いに個性的な新店舗が続々オープンしているエリアです。


焼きカツ、初めて耳にする言葉で、初めて食べました。

おいしかったですね。

とんかつは好きだけど、油モノは最近ちょっとという方にもオススメです。

衣をつけて焼いているので、お肉のうまみを閉じこめながらもヘルシーですよ。

レモン、からし、ソース、胡麻のほか、藻塩や柚子胡椒もついてトッピングも充実。

しかも、大盛りサラダやご飯、味噌汁はおかわり自由です。

あまり書きすぎるとお店での感動が薄れてしまいますから、このくらいにしますが、ぜひ体験してみていただきたいお店でした。

Yahoo! グルメにも掲載されています。
...もっと詳しく
直江兼続公を学ぶための入門書として、おすすめの一冊です。

前半は、兼続公の生涯を生い立ちから米沢の町づくりまで解説しています。

後半は、米沢市内の史跡、名所の紹介です。

60ページの小冊子なので、旅の予習やハンドブックとして便利です。

なお、アマゾンで検索しても見つかりませんので、お求めの際には下記にお問合せいただくか、米沢市内の書店、観光施設などでお買い求めください。

通信販売のお問合せは、米沢観光物産協会へどうぞ。

 電話 0238−21−6226   FAX 0238−22−9608
 e-mail yozan@abeam.ocn.ne.jp

直江兼続に関する小説は、『天地人』以外にもいくつか出版されています。

そのうちのひとつ、南原幹雄の描く直江兼続像。


この小説の凄さは・・・

なんといっても物語の展開です。


上下巻の小説にもかかわらず、直江の人生最大の山場「直江状」や「徳川の会津討伐」が初めのほうに登場します。

そのくだりを最初に使って、その後どうやって物語を続けるのだろうと思いきや・・・衝撃の展開でした。

どの小説でも無口ながら一徹な主君として描かれる上杉景勝。

天下をとった後も老獪さを見せつけながら政権の安定を狙う徳川家康。

成人して兼続を補佐する石田三成の忘れ形見・七法師。

兼続の義理の息子でありながら密命をおびて上杉を出る本多政重。

兼続の目となり耳となり重要な情報を伝える黒姫の忍たち。

さらに、父・新発田重家の仇をうつために兼続をつけねらう4人組。


心配していたストーリーの最後には、作者の壮大な「If」のもと、史実ではありえなかった、でもありえてほしかったドリームチームが誕生し、クライマックスを向かえます。

あえて詳しくは書きませんが、最後の痛快さと大どんでん返しがオススメな作品です。
2009年のNHK大河ドラマは、『天地人』です。

上杉景勝の陪臣 直江兼続(なおえかねつぐ)の生涯を描く作品です。

すでに一部キャストが発表されています。

直江兼続役は・・・

なんと・・・

妻夫木聡さん!


その原作が、火坂雅志作『天地人』です。

越後のカリスマとして「義」の教えを与える上杉謙信。

無口ながらも以心伝心の強い絆で結ばれる主君 上杉景勝。

妻として、裏方として、兼続を支えるお船の方。

上杉家の「義」の心を受け継ぎ、散っていく真田幸村。

さらに、兼続との恋に落ちる千利休の娘など、魅力的なキャラクターがたくさん登場します。


直江兼続役は、妻夫木聡さんです。

じゃあ、他のキャスティングは?

謙信役は、渡辺謙さん??などなど、考えながら読むのも楽しいです。

物語にどっぷり浸ったら、お墓参りと史跡めぐりに米沢へどうぞ。
ついにできました!

昨年は、暖冬で作れなかった巨大かまくら、2年ぶりの登場です。

なんと、このかまくらには、メニューが置いてあります。

携帯電話から電話すれば、ラーメンを届けてもらえます。

冬ならではの小野川の楽しみ『どこでも出前』。

かまくらで食べるラーメンは、暖かいのか?寒いのか?

ぜひ体験してみてください。
...もっと詳しく
冬の楽しみといったら、やっぱり雪見風呂ですよね。

露天風呂で澄んだ空気に包まれながら、月明かりにぼんやり照らされる雪を見る。
冬ならではの贅沢です。

しんしんと雪が降っているのもまた風情がありますよ。

早起きして、日の出にキラキラ輝く雪を見ながら入ってみるのも気持ちいいものです。

車を運転したり、雪片付けをしているときは、雪ってヤダなぁと思ってしまいがちですが、お風呂にいるときだけはなぜか雪とは仲良くなれるんですよね。

温泉が間に立って取り持つ縁でしょうか。