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中国 東北地方旅行記その7
長春駅は改修工事中で、一部の列車の発着以外は本来の駅舎から1500m程ハルビン寄りの場所に仮設駅が設えてありました。中国の工事中の案内というのはとても不親切で、こういう公共施設でさえも、移転先の案内が100m毎に、あまり目立たない標識が立っているだけで、かなり混雑する道路については、車と人が入り乱れているままです。
仮設駅の待合室は体育館のような広さで、何千人という人が汽車待ちをしていました。
白城市には2005年以来毎年訪れているのですが、汽車に乗って行くのは初めてのことです。
白城市は長春の北西350kmのところに位置し、長春から白城市までの風景は山ひとつなく、トウモロコシや豆の畑以外は草原です。まさしく360゜視界の広がる、日本では体験できない空間です。
私は2005年の冬以来、毎年白城市を訪れています。
実は、今年の5月まで七年間、私のところで働いていたハオ鳳林君のふるさとが白城市で、彼の紹介で訪れたのが最初だったのです。
鳳林君のお兄さん、鳳山さん夫婦からは初対面の時からお世話になりました。鳳山さんは現在、白城市の国税局長を務めており、奥さんは市内の中学校の地理の先生だそうです。
お二人には一人娘の、イユエンさんがいます。彼女と初めて出会ったのも2005年ですが、そのときはまだ、高校二年生だったと記憶しています。その後、彼女は長春の大学(日本語学科)に進み、現在は大学を卒業し、北京にあるソフトウェア関連の日系企業に勤めています。
イユエンさんとは、彼女が大学の二年と三年の時に、ボランティアの通訳として旅行を一緒にして貰いました。
彼女には日本へ留学したいという希望があるのですが、いろいろな意味でハードルが高く、解決しなければならない問題もあると聞いています。
今回は、鳳山さん夫婦に鳳林君が辞めたいきさつの説明と、これまでの恩義に報いるための謝意を伝えるために白城市に向かったのです。
8月3日午後6時15分に白城駅に着きました。
改札口外の広場には、鳳山さんの奥さんが手を振って待っていてくれて、私は、ふっと、懐かしいふるさとに帰ったような気持ちになりました。
2010.09.07:
多田耕太郎
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