家庭料理
山菜シーズンも真っ盛り、とにかく山菜を採ることが、魚やヘビや虫を捕るより大事という人が周囲にわんさかいます(笑)。長かった冬の過酷な環境から芽を出し、生き抜き、力強く栄える山菜のツワモノどもたち、山菜は自然の力と気を養い、血や内臓の濁りをきれいにしてくれる実感が味わえます。先日、ねまがりだけ(竹の子の一種)をおすそ分けいただいたので、わらびやにしんとの煮物として、美味しくいただきました
「ねまがりだけ」とは熊笹の旬芽のことで、文字通り熊が生息するような山の高地に生え、他の山菜とは異なり採取はかなり難儀です。笹竹林まで行くのに歩いて1〜2時間はザラ、欲出しすぎて採りすぎると、帰りの山道で荷物の重いこと…捨てようと思ったことも何度か…。竹の子に夢中になってると、目を突く危険性が伴うので、スキーのゴーグル着用しないとヤバイです。また、採取をしていると方向を見失い遭難することがリスクも多いため、山に詳しくない一般の方には無理かもしれません。 そんな苦労を肌身で知ってるだけに、山の幸をいただくときは感謝です。 |
ガキのころのご馳走といえば、正月やお盆など一大イベントのときのおふくろがふるまってくれた餅、忘れらられない味のひとつです。あんこに納豆、黄な粉やくるみとメニューは数々あれど、一番好物だったのは「じんだん」山形地方では「ぬだ」。なぜ、「じんだん」が「ぬだ」なんだと突っ込まれても、意味不明につきご容赦ください。 枝豆をすりつぶし、甘く味付けただけのシンプルなものですが、最近では、冷凍枝豆が大変おいしくなりましたので、フレッシュ枝豆が手に入らない季節でも、手軽においしいじんだん餅が楽しめるようになったことはうれしいことです。 そうそうこれからの新緑の季節、若草餅(よもぎ餅)もとてもうまかった。 |
雪解けとともに、猫の額までもない拙宅の裏庭にわさびが顔を出したので、早速春の香りとしていただきました。わさびといっても清流に栽培している本わさびではなくて、畑などに自生する西洋わさび、山形では「わさび大根、岡わさび」と呼ばれ区別しています。
「西洋わさび」は、本わさびと同じ辛味成分を持ち生育が早くこの時期に顔を出し、繁殖力が旺盛な作物です。ただ、本わさびと違って大根臭があるため商品価値は少ないらしく、粉わさびや練りわさびの原料として広く使われてるそうです。形は本わさびと見分けがつきにくいですが、西洋ワサビは白っぽいので区別できます。 現在の本物志向の世の中では、偽物として肩身の狭い思いをしているようですが、 これが無ければ本わさびの値段が高騰して庶民は刺し身や寿司の薬味にもわさびを使えなくなる事でしょう。 ところで食し方ですが、我が家では適当にお好みですりおろして、あったかご飯や刺身・焼肉に添えて食べていますが、ピリッとした食味がたまらないですね。ちなみに、ワサビは花粉症に効果があるそうですが、体にもいいような気がします。 |
山形地方でよく食べる「ひょう」、ほかの地方ではどうなんでしょうか?「ひょう」とは夏の畑地に生える野草「すべりひゆ」のことです。要するに雑草を食べているわけです。山形県人は竹の根っこ(根曲がりタケ)や虫(イナゴ)を食べたり、実に先人から食べることに貪欲だったようです。
でもこの「ひょう」ですが、栄養価が高いようで茹でて天日干しにすることでビタミンDなどの栄養が蓄えられるそうです。夏にゆでて醤油&からしで食べる場合もありますが、たいていは 打ち豆、油揚げ、ちくわ、人参などと共に煮て、よく正月に食べます。今年もひょっとしてよいことがあるようにと、ひっかけて縁起のよい食べ物の一つとして伝えられたいます。 作り方は、ひょうは洗って水から火にかけ、煮立ったら火を止め、一晩そのままつけておきます。そして翌日、水を2〜3回取り替える。油揚げは油抜きをして短冊に切り、人参も同様に短冊に切る。 ちくわは半分に切ってから輪切りにする。油大さじ2で材料を全部さっと炒め、次にダシ汁と調味料を全部加えて、中火で汁がほとんどなくなるまで煮る。おつまみにもなる田舎料理の一品です。 |
これ何だか分りますか、おはぎ?ブブッー、羊羹?ブブッーちゃいますがな、金妻ちゃうちゃう金つばですよ。不恰好ですけど、我が家自家製金つばで、初めて手作りにトライしたものです。ケーキはよく各家庭で作ると思いますが、和菓子を家庭で作るつうのも珍しいんじゃないかな。
なぜ金つばかというと、ご幼少の頃からあんこ類に目がなくてね、サイコーのご馳走でした。当時はビンボーで(今もですが…w)正月のあんころもちがさらしあんこだったので、つぶつぶあんにとてもあこがれていました。そんな時、出会ったのつばで「なんじゃこりゃや〜!!」と驚愕の出会いでした。それ以来、金つばのとりこになり、今でも高級ケーキと金つばのどちらを選ぶといわれたら、間違いなく後者を選びますね。 金つばの「つば」とは刀の鍔のことだそうだ、形が似ているので名がそうつけられいると何かで読んだ事がある。じゃあ金はなにを表すのか…ご存知の方いらしたら教えてください。 えっ、能書きはいいから肝心の味教えろですか〜?甘さ控えめなところはまあまあですが、そばでいうところのつなぎが弱いせいかポロポロ感があり、研究の余地ありでした。 |
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しそ巻き(右の皿)といっても所変わればで、地方によっていろいろな調理法あるようですが、山形の各家庭に伝わる郷土料理は「しその葉」に、胡桃・胡麻・南蛮などが入った甘辛い味噌をしその葉で巻き、揚げたもの。
しその味と香りに味噌のうまみが香ばしく溶け合い、ご飯のおかずやお酒のおつまみに最高ですよ。でも最近の若いお母さん方は作らないようですが、簡単メニューですので、こういったレシピは後世にも伝えていきたいですね。