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花巻市長選まで、あと1か月…”パワハラ”陳情はふたたび、継続審査へ、「無理」が通れば「道理」が引っ込む

  • 花巻市長選まで、あと1か月…”パワハラ”陳情はふたたび、継続審査へ、「無理」が通れば「道理」が引っ込む

 

 次期花巻市長選の投開票日まであと1か月に迫った23日、上田(東一)市長の“パワハラ”疑惑を審査する総務常任委員会(内館桂委員長ら7人)の2回目の審査が行われ、今後、医師や保健師など専門家の意見を聞く必要があるとして、ふたたび継続審査にすることが決まった。今回の陳情は現市政下で精神疾患による休暇や休職が激増していることに関連し、一市民が「事実調査を求める」―陳情を提出したのがきっかけ(11月30日付当ブログ参照)。この件については先の花巻市議会12月定例会で、櫻井肇議員(共産党)がその背景をただしたのに対し、上田市長は暗にその一部を認めるような答弁をしている。

 

 この日の審査には市職員労働組合(組合員894人)の吉田真彦・執行委員長が参考人として出席。櫻井議員が市長答弁を引き合いに出しながら、「職員の健康を守るべき立場の組合としてはこの答弁をどう認識しているか」と問うた。これに対し、吉田委員長は「たしかに職員間には職場内の風通しが悪く、息苦しいという声もある。ただ、こうした環境が精神の病につながり、さらにパワハラとの因果関係があるかどうかを特定するのは難しい。根本の問題は慢性的な人員不足にあり、その点の改善は団交を通じて要求している。正常な労使関係は維持されていると思う」と答えた。

 

 私はこの日の審査を別の関心から観察した。委員の一人で社民党系の会派「平和環境社民クラブ」(3人)所属の阿部一男議員は「委員長の言うように人員不足による残業の増加などに起因するケ-スが多いのではないか」と組合側を擁護するような発言を繰り返し、直接、“パワハラ”疑惑に触れることはなかった。市職労は旧総評系の「平和環境花巻地方労センタ-」の傘下にあり、同会派の支持団体として位置付けられている。今回の市長選をめぐって同会派はすでに立候補を表明している「上田」支持の方針を固めており、その影響下にある市職労の動向が注目されている。これについて、吉田委員長は「近く、執行部としての態度を決定し、拡大闘争委員会で機関決定することになる」と明言を避けた。

 

 “疑惑”とはいえ、現職市長の「パワハラ」問題が市民の関心を呼ぶ中、本来、その排除に動くべきはずの「平和の党」―社民党系会派が疑惑の”当事者”の支持に回るという摩訶不思議…。どう転んでも、筋の通る話じゃあるまい。小学生でも分かる理屈である。それでもなお、ベテランの阿部議員は意気軒昂である。「きっと、市職労さんも我われの意向をくんでくれると思う。期待したい」―。私たち市民にとって、今回の選挙の構図ほど訳の分からないものはない。肝心の有権者は五里霧中の手探りを強いられている。老婆心ながら、組合執行部とその構成員である職員との関係がギクシャクならないように願いたい。私はいま心底、怒っている。憚(はばか)りながらもあえて言わせてもらおう。「そろそろ、目を覚まさんか」ーと…

 

 

 

 

 

(写真は”パワハラ”陳情を審査する総務常任委員会。奥が吉田委員長=12月23日午後、花巻市役所委員会室で)

 

 

 

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選挙の風景―その3…賢治“プロ”たちとのがっぷり四つ!!??「残った、残った」

  • 選挙の風景―その3…賢治“プロ”たちとのがっぷり四つ!!??「残った、残った」

 

 「市はまるで(宮沢)賢治学会の下請け機関に成り下がったみたいだ。主体性が感じられない」、「イ-ハト-ブ館は“賢治知らず”の市職員の天下り先になってはいないか」、「ところで、賢治の香りがするまちって、どんなまち?」…。いきなり、強烈パンチが放たれた。花巻市内の賢治愛好家らが次期市長選に立候補を表明している小原雅道氏(61)と「賢治のまちづくり」について、話し合う集会が21日に開かれ、熱のこもった議論が繰り広げられた。

 

 将来都市像として「イ-ハト-ブはなまき」の実現をスロ-ガンに掲げ、全国でただひとつ固有名詞を冠した「賢治まちづくり課」を設置する当市だが、「その姿がさっぱり見えてこない」というのが今回の意見交換会のきっかけ。コヒ-ブレイクの雰囲気の中、一家言(いっかげん)をもつ“プロ”たちから、次々と鋭い意見が飛び出した。「土台、賢治を掲げながら、職員自身が賢治を余り理解していないのではないか」、「世界に開かれた賢治のはずなのに、足元の市民が置き去りにされている」、「(図書館をめぐる)WSもほとんどアリバイづくり」、「JR花巻駅の橋上化なんて、“賢治いっぱい”のまちづくりを夢見る市民にとってはバカくさくて物も言えない」…

 

 「ところで、現市長の“パワハラ”疑惑は私たちの周囲でも話題になっている。職員の権利を守るべき立場の労働組合は一体、何をしているのか」―。意表を突く発言に土俵際に追いつめられたと思いきや、小原氏は相手を制して言った。「ここまで言うべきかどうか、本当はいまさっきまで迷っていたんです」と口を開き、こう続けた。「複数の部長さんに話を伺った時、オレたちはもう1~2年我慢すればいいんだけれど…。でもね、後ろを振り向くと、昨日までそこに座っていた前途有能な若い職員が突然退職していなくなったり、病気に倒れたり…。そのうめきのような話を聞いた時に(出馬を)決断しました」

 

 「ワンマンとリ-ダ-シップは違います。職員だけではなく、市民に不利益をもたらすワンマンは市政の場でも許されるのもではありません」―小原氏のきっぱりした口調に辛口たちの間から拍手がわき起こった。「本人はたぶん気が付いていないだろうが、選挙って、人間を大きくするもんだな」…私はこの風景を目の端に見ながら、妙な感慨にとらわれていた。

 

 

 

 

(写真はコーヒ-を飲みながらの甲論乙駁が盛り上がった会場=12月21日午後、花巻市上町の「賢治の広場」で)

 

 

 

 

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選挙の風景―その2…怒涛のロ-ラ-作戦!!??…見上げれば、まん丸なお月さん

  • 選挙の風景―その2…怒涛のロ-ラ-作戦!!??…見上げれば、まん丸なお月さん

 

 「おめさんのおがさんには随分、世話になったもな」―。本格的な寒波が襲来した18,19日の2日間、次期市長選に立候補を表明している小原雅道氏(61)の後援会への加入をお願いする「ロ-ラ-作戦」が旧花巻市内の38町で繰り広げられた。81歳の老骨も足を引きずりながらの“参戦”、高校までの青春時代を過ごした懐かしい辻々を久しぶりに歩いた。雪に足を取られたり、文字通り「こけつまろびつ」の2日間だったが、「頑張ってや。応援してるよ」のひと声に疲れも吹き飛んでしまった。

 

 「怒涛(どとう)」作戦と勝手に名づけたこの動員には後援会幹部や青年部、支援組織「はなまきを良くする1000人会議」のメンバ-のほか、地元富士大学の学生らもはせ参じ、その数は延べ80人以上。町境で互いが鉢合わせになったり、「あれっ、さっき同じものをもらったよ。んだども、誰かに読んでもらうから置いていって…」。こんな風景があちこちで展開された。一方、対抗馬と見られている現職候補側では後援会の支部長名で「市政報告会」を知らせるチラシが回覧板と一緒に各戸に回されるなどの“公私混同”ぶり。JR花巻駅の橋上化をめぐって物議をかもした“やらせ要請”の写真まで付けたチラシのタイトルは「子ども達の未来を創る政策」―。白々しさを通り越して、思わず吹き出してしまった。

 

 暮れなずむ空にまん丸なお月さんがぽっかりと浮かんだ。今年最後の満月―「コ-ルドム-ン」(寒月)には「無償の愛」や「共感」、「感受性」などにまつわる願いごとが叶うという言い伝えがあるらしい。おまじないを月に向かって大声で読み上げた後、それを書いた紙片を破り捨てるのが習わしとか。「小原圧勝」と吼(ほ)えた後、クチャクチャにして宙に放り投げた。銀河宇宙の彼方まで、この声が届けとばかりに…

 

 

 

(写真はうっすらと積もった雪景色を照らす「寒月」。ローラー作戦の成功を祝福しているかのよう=12月19日午後5時すぎ、花巻市桜町3丁目の自宅庭から)

 

 

 

 

《追記ー1》~熱気に包まれる後援会事務所(コメント欄に写真)

 

 ローラー作戦に従事する若者たちの出入りがひっきりなし。かたわらでは携帯やパソコンを使って、情報収集や分析に精を出す幹部たちの姿も(12月19日午後、花巻市下小舟渡の後援会事務所で)

 

 

 

 

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選挙の風景―その1…「小原市長!!??」、「“頭”と”心”の戦いだよね」

  • 選挙の風景―その1…「小原市長!!??」、「“頭”と”心”の戦いだよね」

 

 「あのぅ、小原氏…長(市長)にぜひお願いしたい」―。一瞬、発言者の顔を見上げた。当人は頭をかきかき、「つい、口が滑ってしまって…」。でも、その表情は“破顔一笑”に満ちている。次期花巻市長選の告示まであと1か月―3選を目指す上田東一市長と前市議会議長の小原雅道氏による一騎打ちの公算が強まる中、師走選挙はまさに厳寒を吹き飛ばすかのような熱い戦いになっている。そんな中、冒頭なような“椿事”も巻き起こって、だから選挙は面白い。

 

 小原陣営の小集会はもう、40回以上。“選挙好き”の常連も多く、その発言内容の微妙な変化も見逃せない。上田市長が打ち出したJR花巻駅の橋上化構想に以前の集会ではもろ手を挙げて賛成していたお年寄りがこの日は打って変わって、まさに“七変化(へんげ)”のおもむき。「現職はあいつさすらちゃんとできない。ある会合に参加した時、頭を下げるでもなく、目の前を胸をそって通り過ぎて行った。アッ、思い出した。現職がこの近くで選挙演説をした際、前列に幼稚園児をずらりと並ばせていた。信じられないよな」

 

 隣室から大きな拍手が聞こえてきた。後援会青年部の若者たちで、その数ざっと20人。「冬場の選挙はおれたち若者パワ-に任せて…」と助っ人にかけつけた。冬の日没は早い。とっぷりと暮れた闇の中で、この一角だけは熱気でムンムン。「今度の選挙は〝頭“(上田)と“心”(小原)の対決。政治に必要なのはもちろん、心だよね。パワハラはもう、こりごり」―。現職の“パワハラ”疑惑が渦巻く中での選挙戦…90歳の老婦人がつぶやいたひと言が何となく真に迫ってくるように思った。帰路、現職の選挙事務所の前を通りすぎると、中は真っ暗闇。「戦いすんで、日が暮れて」(佐藤愛子著)。ちなみに、花巻地方の最近の日没時間は午後4時半前後。

 

 

 

 

 

 

(写真は小原候補を囲んで、雄叫びを上げる青年部の面々(12月15日午後8時すぎ。花巻市下小舟渡の後援会事務所で)

 

 

 

 

 

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「誰ひとり取り残さない政治を」…必見!?映画「ボストン市庁舎」

  • 「誰ひとり取り残さない政治を」…必見!?映画「ボストン市庁舎」

 

 「市民のための行政はどうあるべきか。そして民主主義とは…」―。当花巻市の次期市長選挙の告示を1か月後に控えたいま、そのあるべき理想の姿をえぐり取ったようなドキュメンタリ-映画「ボストン市庁舎」が静かなブ-ムを引き起こしている。監督は「ニュ-ヨ-ク公共図書館」(2019年10月8日付当ブログ参照)を手がけた91歳の巨匠フレデリック・ワイズマン監督。米ボストン市役所で繰り広げられる人間模様を記録した4時間半に及ぶ大作で、先月中旬に全国公開された。県内(盛岡)での上映は新市長誕生直後の来年1月28日。“ボストンの奇跡”を、「イ-ハト-ブ」(賢治の理想郷)でも…

 

 「誰ひとり取り残さない!優しさを後回しにしない!」―。前花巻市議会議長の新人候補、小原雅道氏(61)を紹介するリ-フレットにこんなフレ-ズがある。映画の予告編を見ただけでもこのフレ-ズをそのまま実行に移したような場面が随所に出てくる。たとえば、駐車違反をめぐる市民と市職員とのやりとり。夜遅くに出産した市民はやむなく、駐車違反を起こしてしまう。事情を知った市職員は自分の判断でそれを許す。このシ-ンについて、ワイズマン監督はこう語っている。「『あなたは停めてはいけないところに停めましたね。はい、違反です』と機械的に判断するのではなくて、1人1人の市民の声に耳を傾けて、それに柔軟に対応していくというのは、民主主義において必要なことだと思う」

 

 貧困世帯へのフ-ドバンクや同性カップルの結婚式、NAACP(全米黒人地位向上協会)との話し合いや看護師の支援、さらには野良犬のクレ-ムに至るまで次々と寄せられる市民からの電話への対応…。大麻を扱う店の出店をめぐって、店のオ-ナ-と地域住民が激論を交わす場面などまちの表情が丁寧にすくい取られる。我が首長である上田東一市長との気の遠くなるような隔たりのせいなのか、マ-ティン・ウォルシュ市長(当時)の言葉がずしりと心に響いてくる。「もし困ったことが発生したら、市長の私に電話を。通りで私を見かけたら声をかけて」―。そこには、「誰一人取り残さない政治をしたい」という市長らの真摯な姿を見ることができる。

 

 ウォルシュ市長は就任時、アフリカ系アメリカ人やヒスパニックなど、様々な人種の人々を市の重要なポジションに任命した。それを自ら「レインボ-連立政権」と名づけ、多様性の大切さを市政運営のスロ-ガンに掲げた。”レインボ-"(虹)の意義についてのワイズマン監督の言葉が印象的である。「この映画は民主主義が機能している姿を描いていると思う。人々が集まり、あらゆる議論をし、時には妥協して前進するということがボストン市庁舎では行われている。彼らは相手を軽蔑するのではなく、敬意を持って接しようとしている。行政がちゃんと市民のニ-ズに応えていて、自分たちがやっていることに責任を持っている」

 

 「優しさって、なんだろう。それは宮沢賢治さんの『雨ニモマケズ』にある、たくさんのことを見て、たくさんの声を聴いて、お互いに理解し合い、考えて行動する。それが私の考える優しさです。子どもたちには『夢』を、若者には『希望』を、お年寄りには『安心』を…」―。小原氏が掲げるスロ-ガンはボストン市の「レインボ-」理念そのものである。

 

 「人権無視」の“パワハラ”疑惑がうごめく現市政の継続か、はたまた「ボストンからイ-ハト-ブ」への変革の一里塚か―。その重大な選択の日はあと1か月余り後に迫っている。警察、消防、保健衛生、住宅、雇用、交通、結婚、死亡……など住民の日常生活に直結する幅広い部署で縦横無尽に動き回るボストン市の職員たちの姿を見ていると、「お役所仕事」などというイメ-ジは一掃されてしまう。わが「イ-ハト-ブ」にそんな日が到来するのはもう、夢ではない。

 

 

 

 

 

(写真は映画「ボストン市庁舎」のひとこま。市職員は障がいを持つ人たちと楽しそうにダンスに興じていた=予告編の画面から)