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快適な室内環境とはどんな条件なのか?

今回は、快適な室内環境についての記事をご紹介します。

 

国土交通省が策定した、我が国の住環境の目安となるガイドラインが次の8項目です。

●室温は冬期は20℃前後、夏期は28℃が最も快適です。

●湿度は年間を通して45~60%が最適です。

●室内の水平温度分布差は2~3℃前後が目安です。

●建物の垂直温度分布差は3℃以下です。

●換気回数は24時間計画換気で(0.5回/時)の環境が良好です。

●室内気流速度は(0.1~0.2m/秒)が理想的です。

●室内の一酸化炭素・二酸化炭素濃度は一酸化炭素で(10ppm以下)がベスト。

 二酸化炭素では(1000ppm以下)が基準値(※厚生労働省ガイドライン)

●ホルムアルデヒド濃度は(0.08ppm)が基準値でそれ以下に。

                          国土交通省ガイドライン

 

国土交通省のこの数字はおおむね、住宅先進地である北欧やヨーロッパの住宅と比較しても妥当なものではないかと思われます。

健康的な住環境の次に重要なこととして、住宅の省エネルギー化に対する取り組みが挙げられますが、住宅の省エネルギー化も、健康的な住環境への取り組みも根本的には同じことです。

健康的な住環境を志向していけば、住宅は自ずと省エネルギー住宅になり、二酸化炭素などの地球環境にとって有害な物質は出さない住宅になります。

 

2018.09.02:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

熱の伝導と熱橋のお話

今回は、熱の伝導と熱橋のお話です。

 

●熱の伝導

熱伝導とは、固体の中を熱が温度差によって移動することをいいます。例えば、レールのよう長い鉄の先端を熱するといつの間にか、熱していない方にまで熱が伝わっていきます。このような直接的な熱伝導ばかりではなく、外壁から伝導したり様々な部分で熱伝導が起こり、住宅の内外に熱が伝わっていきます。断熱施工の目的は、この室内と熱伝導を出来るだけ防ぎ、外気の影響から室内の温度環境を守る役割があります。

 

●冷熱橋

住宅の室内と室外で熱伝導を引き起こすような要因があれば、(例えば鉄骨が室内と室外を横断している場合)熱伝導によって室内の温度が室外に奪われたり、逆に室内に室外の熱が侵入したりする現象があります。これを熱橋といい、特に冬場の熱橋を冷熱橋といいます。冷熱橋は、断熱材を通過して内と外を結ぶ水道管やガス管などで多く発生しますが、構造材の金具や釘・ネジなども冷熱橋になっている場合があります。冷熱橋は、結露を伴うので構造材のボルト回りや断熱材をまたいだ金具類の断熱施工には、冷熱橋になっていないかどうか充分に注意しなければなりません。

2018.08.26:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

気流のお話

今回は気流のお話です。

 

外気の移動する早さを風速というように、室内での空気が流動する速さを気流といいます。気流はドラフトともいわれ、断熱性能が不良な場合、冬の窓辺などで外気に冷やされた空気が下方にスーと流動する現象がありますが、これをコールドドラフト現象といいます。これを防ぐために高性能な開口部が要求されます。室内の気流は、0.5m/s以下に押さえる指定されていますが、実際には0.2m/sぐらいで肌に気流を感じます。夏は逆に、気流がないと体の表面に汗の蒸気が飽和状態になって空気の層が出来て、汗が蒸発しにくくなり不快感を感じてしまいます。夏は気流があると同じ温度でも涼しく感じます。

 

気流の理想的な分布

気流がなければ、発汗によって体の表面で飽和状態になっている水蒸気が層になって人体を取り囲み、いくら相対湿度が低くても、不快感を感じています。室内には適度な気流を作り、人体から発生する熱や水蒸気を適度に動かす必要があります。気流分布で大切なことは、人が風力を感じない程度の気流が、建物全体及び部屋のすみずみまでいきわたるようにする事です。人が感じる速さの気流が直接人に当ると、冬は隙間風のような寒さや、風の流れを感じて不快感の原因となります。空調機の吹き出し口、吸い込み口の位置や部屋の開口部の位置なども影響するので、理想的な気流分布を検討する事も大切な事ですね。

 

2018.08.05:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

夏、2階が寝苦しいのは?

毎日暑い日が続いて大変ですね。

と言うことで、2階が寝苦しいのはについて考えます。

 

屋根や天井の断熱性能が悪い住宅は、夏の日中に70℃近くまで熱せられて小屋裏に蓄えた熱が、夜になって周りが冷えてくると輻射熱として2階の天井から室内に放射、供給されるために、天井に近い2階の室温が外気温度よりも上昇して寝苦しいのです。これを防ぐためには、屋根や天井の断熱施工を充分に行うことと熱だまりにならないよう小屋裏の換気を充分に行うことが重要です。

熱は高い温度から低い温度に流れます。温度差が大きいほど勢いよく流れます。夏、冷房した室内に、熱はガラス窓や外壁、屋根、隣室との間仕切りなどの中を伝って伝導熱として侵入してきます。室内への熱の侵入を遮断してコントロールすることが重要です。

 

2018.07.29:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

輻射熱のお話

今日、暑い日が続いて大変ですね~。

そんな時に熱のお話で恐縮ですが、前回お話した通り今回は輻射熱について考えます。

 

【夏の輻射熱】

輻射熱のもっとも代表的なものは、太陽熱やストーブの熱です。これらは空気に関係無く光のように熱線として放出されます。熱は熱い所から冷たい所に流れる性質があります。従って夏、太陽熱によって暖められた壁面に近づくと人体よりも温度が上昇しているので、壁からの輻射熱で暑く感じます。気流などうまく利用して、輻射熱の影響を防ぐことで室内を涼しく保つことが可能になります。

 

【冬の輻射熱】

冬は夏とは逆に、壁面の方が冷たくなり人体から壁面の方に熱が奪われて行くので寒く感じます。これを冷輻射と呼びます。冷輻射が起こる主な原因も断熱不良です。効果的な冬の暖房のコツは、壁面や床を暖める輻射暖房です。冷輻射の発生を防ぎ、温熱環境を守るためには、壁を冷やさないことが最も重要です。正しい断熱材と施工と輻射暖房で床や壁面を暖めることが冬の快適性に通じます。

今の時期には特に壁だけではなく、天井や床からくる輻射熱でより暑く感じます。気流などをうまく利用して、輻射熱の影響を防ぐことで室内を涼しく保つことが可能になりますとありましたが、しっかりとした断熱・気密施工を行い建築的な工夫により、気流をうまく利用すると、より省エネで快適な住環境をつくり出すことが出来るということですね。

気流をうまく利用する・・・・・

今の時期こそ、大東住宅の展示場にご来場下さい。その工夫や快適さがお分り頂けると思います。

2018.07.22:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]