断熱性能と疾病の有病率と改善(住宅高性能化の必要性)

今回は、住宅の断熱・気密性能向上によるノンエナジー・ベネフィット
(エネルギー消費の削減以外に得られる効果)NEBの一例をご案内い
たします。

NBEの研究として断熱性能と疾病の罹患率と改善について述べられた
解説書が御座いましたのでご紹介いたします。



【上記の図は、断熱性能が悪い住宅から断熱性能の良い住宅へ転居し
た場合、様々な疾病の有病率が改善されることが判ってきました。
 特に温熱環境の改善効果が著しいのは、三大成人病の内、新生物(ガ
ン)以外の脳血管疾患と心疾患の改善率でその効果は顕著です。脳血管
疾患の改善率は84%、心疾患の改善率は81%と非常に高い改善率が認め
られ、温熱環境との関係が改めて認識されています。

さらに従来は、室内温度との関係はないと思われていた、様々な疾患も
温熱環境を向上させることで改善することが判ってきました。糖尿病もそ
の一つで改善率も71%と高く、糖尿病も暖かい温熱環境では改善すること
が認められています。

 また、関節炎なども68%と言う高い改善率がみられます。肺炎や気管支
喘息は、改善率が高いだろうと予測できますが、アトピー性皮膚炎なども
59%という高い改善率が見られます。これは暖かい室内環境が持続され
ることで、有害な化学物質が排除されていくからと考えられます。

有害化学物質のほとんどは揮発性物質ですから、室内が暖まっている環
境では有害物質の排気もスムーズに行われるものと考えられます。その
ためには、温熱環境と共に換気装置もまた信頼のおける換気装置でなけ
ればならないのは言うまでもありません。】



このような調査結果からも、住宅の温熱環境の改善が多くの疾病から家族
を守ってくれる効果があることが判ります。

省エネルギーやCO2削減は非常に重要ですが、住宅の温熱環境は家族
の健康を守る為に重要な問題で住宅の高断熱・高気密はその両方に効果
的です。
2015.03.14:m-seino:[清野 光芳/レポート集]

この記事へのコメントはこちら

※このコメントを編集・削除するためのパスワードです。
※半角英数字4文字で入力して下さい。記号は使用できません。