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『日射遮蔽(開口部)』のお話

前回に続き日射遮蔽の手法について(開口部)のお話です。

 

ガラスの断熱性能は、かなり進歩してきました。下図のサッシ性能比較でも

高性能ガラスは、サッシ性能を遥かに上回る性能を示しています。

ここで重要なのは、トリプルガラスや真空ガラスなど高性能ガラスに匹敵する

サッシの重要性です。以前は、木製サッシの独壇場であったサッシも近年では、

樹脂サッシの高性能化でメンテナンスフリーの長寿命、高性能サッシも登場し

ています。

 

ガラスの種類と特性

 

フレーム(枠・框)の種類と特性

 

開口部は、サッシ性能が最も重要です。

 

 

2017.05.28:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

『日射遮蔽』のお話

  • 『日射遮蔽』のお話

だいぶ天候も良くなり、ここ数日は日中暑いくらいに感じます。

と言うことで、今回は日射熱のお話です。

 

日射熱は利用できるエネルギー減であると共に、夏季においては

日射遮蔽によって冷房エネルギーを削減することが出来ます。

冬は日射の活用、夏は日射の遮蔽というように、二律背反した働

きが要求されます。その場合、最も重要なのは住宅の断熱性能で、

冬の寒さ対策としてばかりでなく、夏の暑さ対策としても断熱性

能は重要です。

特に開口部性能は夏・冬共に非常に重要で、いかに外皮を高性能

化しても開口部性能が貧弱だと全て台無しになってしまいます。

開口部と日射遮蔽について、そのポイントを抜粋してお話します。

 

開口部

 ○ 日射遮蔽に効果のある窓を選択

 ○ 日射遮蔽部材を利用

 ○ 庇などを利用した開口部の日射遮蔽

 

外皮(屋根・外壁等)

 ○ 屋根材・外壁材に日射遮蔽・日射反射率の高い部材を使用

 ○ 小屋裏や屋根の通気措置による日射遮蔽

 ○ 外壁の通気措置による日射遮蔽

 

その他

 ○ 照り返しの防止措置

 ○ 庭木による日射遮蔽措置、等々

 

大まかに以上の手法が上げられます。

窓の仕様と外皮の通気は重要です。

夏対策の通気の手法や工夫は、その他にもありますので、是非

弊社展示場にてご確認下さい。

下図を参考にして下さい。

 

2017.05.21:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

『健康で暮らせる住環境も住宅の基本性能』について

今回は、前回同様に少し前のものになりますが、住環境の特に温熱環境が及ぼす

住宅と健康の関係について記事をご紹介します。

 

今までは、省エネルギーやエコホームの考え方は、二酸化炭素の削減やエネルギー

の削減という環境問題からのアプローチが多かったように思われますが、近年では、

健康問題から住環境を考えるという新しい視点が生まれてきてきます。

特にドイツやイギリス、ニュージーランドなどが住宅と健康に関しての研究が進んで

いるようです。我が国では、近畿大学の岩前篤教授などが積極的に研究成果を発表し

ています。


表・1は、改善に役立つ因子を示した表ですが、断熱による温熱環境の改善による

疾病改善率の高いことが示されています。


図・1、2は、脳血管疾患の都道府県別の年齢調整死亡率です。驚くべきことに、東北、

北3県と共に福島、関東4県、高知県、鹿児、島県が突出して多くなっています。

特に鹿児島は、男女ともに多くなっていますが、高知や鹿児島、関東の群馬・茨城

・栃木県の比較的温暖地域の罹患率の高い地域は、温暖な地域で、昔から断熱施工

をあまり重視してこなかった地域です。特に鹿児島は、夏は暑いものの、冬は山地

が多く寒暖の差が激しい地域でもあります。

昔は、脳血管疾患の主要原因は、塩分の取り過ぎと言われてきましたが、秋田県で

は断熱材の導入によって住宅性能が改選されるに従い、罹患率が確実に低下してき

ました。確かに塩分摂取量の改善効果もあったようですが、同じ程度に塩分を摂取

する北海道は、昔から住宅の温熱環境が高く、 脳血管疾患は少ないという特徴があ

ります。
 
この様に医学面からも住宅の温熱環境の重要性が認識されはじめ、家族の健康を守る

ためには、温熱環境の改善が医療費の削減効果と共に一石二鳥であることがわかって

参りました。

厚生労働省の発表では、2008年度の我が国の医療費総額は34兆8034億円で、国民

1人当たり27万2600円の医療費を使っています。

年齢別では65歳以上の医療費は18兆999億円で全体の54・6%を占めています。

2008年度は後期高齢者医療制度の初年度ですが、75歳以上の医療費は10兆9711億円、

65歳未満の15万8900円に対し、65歳以上は67万3400円、70歳以上は76万円、75歳

以上では83万円と高齢者は現役世代の約4~5倍以上の医療費を使用しています。

この医療費を縮小させる手段として考えられているのが高断熱・高気密のエコホームや

既存住宅の断熱改修を行うエコリフォームです。日熱環境の改善で確実に疾病の罹患率

は減ります。

 

 

 

 

 

2017.05.07:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

『自立循環型住宅』とは

今回は、少し前のものになりますが、自然力を活用する自立循環型住宅についての

記事をご紹介します。

 

自然力を活用する『自立循環型住宅』とは。

 

国の住宅施策の中に、太陽光や風力等のエネルギーを効率的に利用し、同時に住宅性

能を高性能化することによって、使用する冷暖房エネルギーを極力少なくしようとす

る『自立循環型住宅』という考え方があります。

 

『自立循環型住宅』の住宅性能は、「日本住宅性能表示基準、温熱環境・省エネルギー

対策等級4」を基本とした高性能住宅をベースにして、省エネルギーによる二酸化炭素

の大幅な削減を目標に冷暖房負荷の少ない住宅を目指して推進されています。

寒さに対しては閉じる技術、暑さに対しては計画的に通風が可能な、開く技術を集大成

させた開放型の住宅で、暖房や冷房で閉じたときには、高断熱・高気密性能を発揮する

住宅性能を持つことが『自立循環型住宅』の基本的な概念です。

ヨーロッパ型の「パッシブハウス」は、暖房エネルギーをゼロに近づける「無暖房住宅」

いう考え方になりますが、「自立循環型住宅」では、風力や太陽光を自然のままで室内

に取り入れて活用しようとする考え方です。

いずれも住宅性能を高めることで使用エネルギーを極力少なくし、太陽光や風力などの

自然エネルギーの活用と共に太陽光発電や風力発電で、再生可能エネルギーを積極的に

活用して、省エネルギーを実現して行こうとする考え方です。

ヨーロッパ型の「パッシブハウス」を導入して国内でも各地で「無暖房住宅」の開発が

始まっていますが、我が国ではこの『自立循環型住宅』こそ住宅性能を重視した「ゼロ

・エネルギー・ハウス」の原型となる技術ではないかと考えられます。

寒さに対しては、閉じる技術、しっかりとした断熱・気密性能を確保して、太陽光を取

り入れる無暖房住宅を目指し、暑さに対しては、開く技術で通風を最大限に利用し、さ

らに暑くなれば、閉じる技術で、少しの冷房で最大限の効果を得ることができる住宅性

能、それこそが我々が求める未来型「ゼロ・エネルギー・ハウス」の原型です。

 

 

 

 

 

 

 

 

2017.04.30:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

快適な室内環境

春めいてだいぶ気候も良くなり、過ごしやすい季節となりました。

ちょっと風が強いですかね。

 

では、本題です。

以前にも触れたかもしれませんが、改めて快適な室内環境のお話です。

 

国土交通省が策定した、我が国の住環境の目安となるガイドラインが

次の8項目です。

 

国土交通省のこの数字はおおむね、住宅先進地である北欧やヨーロッ

パの住宅と比較しても妥当なものではないかと思われます。

健康的な住環境の次に重要なこととして、住宅の省エネルギー化に対

する取り組みが挙げられますが、住宅の省エネルギー化も、健康的な

住環境への取り組みも根本的には同じことです。


健康的な住環境を志向していけば、住宅は自ずと省エネルギー住宅に

なり、二酸化炭素などの地球環境にとって有害な物質は出さない住宅

になります。

 

2017.04.23:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]