観光農業のカリスマ 工藤順一

平成17年5月12日(木)於:岩木町中央公民館で、岩木町観光協会の総会が開催されその際に記念講演会が行われました。
先日、わが町寒河江に研修でおいで頂いた岩木町観光協会が早速私をお招き下さり、協会会員と一般町民を対象とした講演を行う機会を頂戴しました。テーマは「観光おこしの手法と戦略」です。約50名ほどの皆さんの前でお話させて頂きました。
前日の午後と当日の午前中には町内も視察させて頂き、大変充実したスケジュールと共に新緑の岩木町を満喫して参りました。

岩木町には、大変美しいその姿から「津軽富士」と呼ばれ全国的にも有名な岩木山(標高1625m)があります。その山麓には「嶽」「百沢」「湯段」「三本柳」といった名湯もあり、有数の保養地となっています。また、青森の春の桜として有名な弘前公園の後には、岩木町の「世界一の桜並木」(約20キロ、7500本)が咲き誇り、津軽国定公園や岩木高原県立自然公園も間近にあることから、とても自然環境に恵まれた美しい土地といえます。
今回私が訪れた5月は、畑ではりんごの花が咲き始め、山では春のモミジが大変美しくまるで山一つが花山でありました。その風光明媚なことといったら筆舌に尽くしがたいものがありました。感動!感動!!の連続です。自分の目で耳で肌で正に五感で受ける感動こそが本当のリサーチだと改めて実感しているところです。

今回の講演では、観光農業に取り組むきっかけ、その時の時代背景、始めた当たりの阻害要因や克服するまでの要因など、今までの体験と実践からいくつか実例を挙げて「観光農業」についてお話ししました。そして、私の岩木町に対する私見を述べさせて頂きました。

(以下、講演で話したことの要旨)
岩木町の素晴らしさ、魅力、自慢を聞いたところ、「岩木山」「りんご」その次が出てこない。地元に住む人たちが地域資源(人、物、歴史、文化、景観など)を評価したり、発見することがなく、ごく当たり前にしか感じていないことは残念でした。住んでいる人が教えてあげたい、伝えたい、見てもらいたい、といった気持ちはお客様にはとても新鮮で信用性があります。また、その逆にお客様が感激したり、感動することは一体何かを、生のリサーチを通して情報収集するが必要です。私はお客様を納得させることが重要だといつも考えてきました。納得とは何か。本物であり、満足であり、高い付加価値です。
そういったことは、口コミで確実に伝わっていきます。
今の岩木町に必要なこととして、他地域との連携を挙げたいと思います。十和田湖や白神山地、弘前公園の桜などは、全国的にも名所となっていますので、そこと繋ぐ。そして、春のもみじやミズバショウ、各地の温泉をPRすること。それには、官民一体となった取組みが必要になり、弘前バスや青森県といったところを巻き込んでの提案も不可欠です。そしてお客様には二重三重の情報を十分に提供していくことで、たくさんのファンを増やすことができます。そのためには、まず組織の見直しを図って頂きたい。観光協会との今まで以上の組織連携を強化して、協力体制を町全体で構築していくことが必要です。そして、町民自らが自分の町の魅力を再発見・再認識して自慢をして頂きたい。来て頂いたお客様には、笑顔、感謝、ありがとう、元氣、思いやり、温もりでもてなすことです。「元氣があるところにはドラマがあり、ドラマのあるところには人が集まる。人が集まるところには現金も集まる。それが地域活性化です。」つまりは、お客様が自分の給料なり生活を支えてくれているということを、改めて認識すれば自然にお礼が言えるようになるものです。また、組織的に、継続して、根気よく、金はなくても身体と智慧を使う努力をしましょう。そうすると必ずアイデアは生まれます。
さらに、営業力の強化を図ること、新鮮な情報をメディア(マスコミ、ミニコミ等)を通して、いつも発信していくことです。そのためにも、決断から実行までのスピードを早め、時代を先取りする必要があります。しかし、何と言っても重要なのは、リピーターを増やし、また来てみたくなる要素を作るのは結局は「人」です。今現在頑張っている人たちに対する応援と、町民の現地研修会といった「宝探し」を是非行って頂き、魅力ある人材をたくさん育てていきましょう。

以上のような内容で話して参りました。


▼この記事へのコメントはこちら
名前

件名

本文

URL

画像

編集/削除用パスワード
※半角英数字4文字で自由に入力下さい。


手動入力確認イメージ
※イメージ内の文字を小文字の半角英字で入力して下さい。



 ※ 管理者の承認後、反映されます。