ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ

粉雪がうなりを上げて横に流れて行く。そんな吹雪の朝、鶏舎に近づくと中からにぎやかな小鳥たちの声が聞こえて来た。そっと中をのぞいてみたら・・なんと、100羽を超えるスズメたちがニワトリたちと一緒に仲良く餌を食べているではないか。普段なら決してこんなことはありえない。鶏舎の主は、エサ場に近づく小鳥たちを見ると「あっちに行け!」と言わんばかりに飛び掛かって行き、追い払ってしまうのだ。今までも幾度となくこんな光景を見て来た。

 でも今朝は違う。「さぁ、こっちに来いよ。一緒に食べよう!」言葉にすればこんな雰囲気だ。外は吹雪。酷寒の世界。雀にとっても外にエサなんてあるわけがない。ニワトリたちにはそれが分かっているのか、決して雀たちを追い出そうとはしないのだ。
こんな光景を見て短歌ともいえない以下のような歌を詠んでみた。
「ニワトリと雀が餌を分け合っている
      吹雪の鶏舎(こや)の如月(きさらぎ)の朝」

 この光景には教えられたよ。おい、人間、しっかりしろよなってな。言ってみたら雀は「難民」。あ〜ぁ、俺なにやっているんだろ。

(写真は梅の木にとまっている雀たち。見えるかな。ダブルクリックしてみてください。たくさんの雀が見えます。)


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