甲子(きのえね)の大黒さま

　シャクナゲの植え替えの時期になりました。新しく山に植えるために、草刈りをしています。草刈りをしていて大変なのが、タラの木です。枝にはトゲがあり、ノコギリで切るのも一苦労です。
　私たちの心にもトゲが刺さっていることがあります。普段は気にならずに生活していても、時々思い出したように心が痛むことがありませんか。
　トゲとはたとえば、忘れることのできない失敗、許すことのできない相手、乗り越えられない過去、克服できない自分の弱さなどです。こういったトゲはあまり気にならなくても、間違いなく心に刺さっているのです。ちゃんと抜いてあげなければなりませんね。自分と会話をしましょう。トゲの存在に気づけば、新しい自分にもなれるのです。

2005.09.10：hs-1119：コメント(0)：[メモ/自分との対話]

心の掃除

　修行時代は掃除を徹底的にさせられました。四角い部屋を丸く掃かないように、畳の目にそって掃くようにと、ほうきの使い方一つでも怒られたものです。毎日、二時間は掃除をしていました。勤行などが静の修行なら、掃除は動の修行だったのです。
　目に見えるホコリを掃くことは簡単です。しかし、目に見えない心の掃除をすることは、難しいものです。生活していればホコリが溜まるように、心にも日々のストレスが蓄積していきます。あなたはどんな時に、心が軽くなりますか。自分なりに心の掃除をしていきましょう。

2005.09.09：hs-1119：コメント(0)：[メモ/自分との対話]

心の矛盾

　アブチロンの写真です。なんだかおかしいと思いませんか。写真がさかさまになっているのです。しかし、人の心もおかしなことでいっぱいです。
　私の好きなドラマの中で「女は外見で判断されるのを嫌がりながらも、外見であいてにされなくなるのを恐れている」というセリフがありました。
　この前、読んだ記事に「老人は大切にされることが当然だと思いながら、年寄りだからと親切にされることを嫌がる」と書かれていました。
　私たちの心は矛盾でいっぱいです。心と体がバラバラだと疲れてしまいます。心で涙を流しながら、笑顔を作る。イヤだと思いながら、「はい」と言ってしまう。できないと思っているのに、「できます」と言わなければならない。辛いものです。心が疲れたら、小野川の温泉にでも入りましょうか。

2005.09.08：hs-1119：コメント(0)：[メモ/自分との対話]

心の強さ

　シュウメイギクが咲き始めました。淡いピンクの可憐な花ですね。この花を支える茎を見てください。とても細く、よく風雨に耐えているなと感心します。
　私たち人間を支えるものはなんでしょうか。一つは家族だと思います。もう一つは信念だと思うのです。犬ではありませんが、心の弱い人ほどよく吠えるように思います。心の強い人ほど淡々としています。何が起ころうとも、それを受け入れ乗り越えられる強さがあるからです。強い心を持ち自信に満ちあふれた、毎日を送りたいものですね。

2005.09.07：hs-1119：コメント(0)：[メモ/自分との対話]

仏の象徴

　ヒツジグサの花が水面に浮かんでいます。とても綺麗な花ですね。しかし、水面をのぞいてみると、水の中はそんなに綺麗ではありません。
　よく蓮華の花が仏様にたとえられます。汚い泥の中に生を受けながらも、花は汚れ一つなく綺麗に咲いている様が、俗世間の中にいながらもつねに清浄であられる仏様の象徴とされるのです。
　現代は欲が渦巻く世界です。悪い誘惑もたくさんあります。親は子供に胸を張って「人を信じなさい」と言えなくなってきています。そんな世の中でいかに自分を保っていくか。誘惑に負けない、自分に負けない、私でありたいものです。　

2005.09.06：hs-1119：コメント(0)：[メモ/仏教について]

みんなで笑う

　ハギが咲いています。一つ一つの花はとても小さいのですが、集まって咲くと見事ですね。
　私たち人間も一人で、できることには限界があります。みんなで力を合わせるからこそできることもたくさんあるのです。昔は農作業や村の仕事などは、すべて共同作業でした。村で一つの仕事を成し遂げるために、村全体が一つの家族のようなつながりがあったのではないでしょうか。現代は分業が進み、隣に住む人とも話したことのない人が多いのかもしれません。
　ハギの花がみんなで咲いているように、みんなで笑っていられる地域でありたいものですね。

2005.09.05：hs-1119：コメント(0)：[メモ/幸せな人生]

自分で考える

　私たちは子供の頃から「勉強しなさい」、「人に迷惑をかけないようにしなさい」、「いい子でいなさい」、「人と協調しなさい」と教えられて育ってきました。しかし、なぜ、しなければならないのか。なぜ、してはいけないのか。「なぜ」が教えられていないのです。子供に「なぜ勉強しなければならないのか」と聞かれて、子供を納得させられる人がどれだけいるでしょうか。
　私たちの心には規範という枠はあっても、自分がないのです。ただ世の中に合わせようとするだけなのです。自分という人間を確立していないから、ストレスや不安から逃れることができないのです。自分はなんのために生きていくのか、何を大切にして生きていくのか、を考えられる人間になりたいものです。

2005.09.04：hs-1119：コメント(0)：[メモ/人間関係]

家族のために

　ミズヒキソウの葉が虫に食われ、穴だらけになっています。なんだか醜く、汚いようにも見えますね。でも、この葉は自分が生きているのと同時に、他の虫たちの命も支えてきたのです。
　あなたはお祖父ちゃんの無骨な手や、お祖母ちゃんの曲がった腰をどう思いますか。私は家族のために一生懸命に働いてきた証だと思うのです。
　人を見た目で判断するのではなく、なぜそうなったかを考えられるようになりたいと思います。そうすれば、今まで見えなかったものも、見えるようになってきます。相手を少し理解できるようになるかもしれませんね。

2005.09.03：hs-1119：コメント(0)：[メモ/人間関係]

叫びたくなって

　ムンクのような絵を描けないので、筆をとってみました。最近、「もう年だから」という言葉をよく使います。十代や二十代でも連発している人がいるのではないでしょうか。どうして、自分の口癖となっているのか考えてみました。「もう年だから」という言葉の奥には、自分の人生で一番素晴らしい時期が、もう終わってしまったという嘆きがあるように感じたのです。まだまだ続くこれからの人生に期待できないという失望が「もう年だから」という言葉になっていたのかもしれません。
　無責任に遊び回っていた時期に固執し「あの頃は楽しかった」と、まだ若いのに昔話をしてみたり。いつまでも子供のままでいようとする人が多くなっているのかもしれません。自分の未来を信じたいと思います。素晴らしい未来を。
　今月もホームページを更新しました。時間のある方はご覧ください。

2005.09.01：hs-1119：コメント(0)：[メモ/幸せな人生]

「縁結び」

　当山の授与品の「えんむすび」です。お釈迦様はこの世はすべて「縁」で成り立っていると言われました。男女の仲もそうですが。たとえば、商売をしていても、お客さんはもちろん、働いてくれている人、商品を納めてくれている人、影ながら応援してくれている人など多くの人の縁がなければうまくはいきません。
　世の中には良縁と悪縁があります。良縁を得られる人は感謝の心を持った人です。大勢の人の「おかげ」をいただいて生かされていることを知っている人なのです。悪縁しか得られない人は不平不満が多く、人のためになにかをしようという心がない人なのです。どちらの人が幸せになれるでしょうか。

2005.08.31：hs-1119：コメント(0)：[メモ/仏教について]

鳥の巣に思う

　車庫に作られていた鳥の巣です。子どもたちは巣立ったらしく、今は使われていないようです。鳥は厳しい環境や外敵から、命をかけて巣を守ります。巣を守りヒナ鳥を育てることが、親鳥の存在理由となるのです。
　あなたには守るべきものがありますか。どんなものでもいいのです。それを守るためならば、どんなことにも耐えられるというものがあればいいのです。それがあなたを支える大きな柱となり、生きる意味にもなるのです。　

2005.08.29：hs-1119：コメント(0)：[メモ/人間関係]

成島焼

　米沢にも成島焼という焼き物があります。今も成島に窯があり、伝統を受け継いでいる人がいます。写真は成島焼のツボです。
　私もそうですが、若い人は地元の伝統や文化に関心のない人が多いようです。情報化社会は日本中を均一化しようとしています。まるで金太郎飴のように九州で切っても、東京で切っても、東北で切っても同じようなもので、地域性が感じられなくなっています。方言はテレビの影響で、使われなくなってきています。町並みも個性がなく、どこの町もお馴染みの店が並んでいます。通信販売で全国の特産品も注文でき、そこに行かなければ食べられない物がなくなりました。その土地でしか味わえない雰囲気や人を大切にしたいものです。

2005.08.28：hs-1119：コメント(0)：[メモ/幸せな人生]

歯が痛いのに

　まだ８月なのにススキの穂が出始めました。小さな秋の気配を感じますね。これから少しずつ秋が近づいてくるのでしょう。
　どんなことでもそうですが、最初はほんの些細なことから始まります。幸せなことなら、その小さな芽を大切にしなければなりません。不幸なことなら、その小さな兆候にしっかりと対処しなければなりません。つねに自分や家族に対する気配りが大切なのです。小さな問題をそのうちそのうちと先延ばししてしまうと、深刻な問題になりかねません。
　歯が痛いのには医者に行かずに、後で大変な思いをするのに似ているかもしれませんね。

2005.08.26：hs-1119：コメント(0)：[メモ/幸せな人生]

新しい命のために

　山の中で枯れようとしている老木です。枝は雪の重みで折れてしまっています。折れているのはまわりの若木が枝を伸ばしやすいように、日の光を受けやすいようにとの配慮かもしれません。少しずつ自分の身を枯らしながら、まわりの若木を育てていくのです。あと、何年かすれば木自体も倒れてしまうでしょう。折れた老木は自分がそうしてもらったように、次の新しい命のための苗床となります。そうやって命の連鎖が続いていくのです。木は枯れるべき時に枯れ、死すべき時に死にます。恐れることもなく、あがくこともなく、ただ自然の摂理のままに生きているのです。新しい命のために我が身を削る老木に感動しました。

2005.08.25：hs-1119：コメント(0)：[メモ/自然の中で]

心落ち着く時

　人間にはいろいろな時間が必要です。仕事をして汗をかく時間、家族や友人と楽しく過ごす時間、一日が終わり家に帰ってくつろぐ時間、今の自分を反省して「これでいいのか」と問いかける時間、なにも考えずに心静かに過ごす時間などです。一日の中にいろいろな時間を持つことによって、心が豊かになるのだと思います。
　私にとっては墨をする時間が、心落ち着く時です。墨には香料が練り込んであるらしく、その香りは心を落ち着けてくれます。なにも考えずに、でもボーッとしているのでもない時間も大切だと思います。みなさんはどういった時に、心を落ち着かせることができますか。

2005.08.24：hs-1119：コメント(0)：[メモ/自分との対話]