甲子(きのえね)の大黒さま

「本当の豊かさとは①」からご覧ください

　そんな世の中の基準ではなく自分なりの基準で生きていこうとする時、今の自分を納得して受け入れられる時、はじめてゆとりのある豊かな生活ができるのではないでしょうか。これから、ますます格差社会は広がっていくことでしょう。そんな時代に

　私はそんなにお金はありませんが、あなたよりは幸せですよ

と胸を張って答えられる人間になりたいものです。今の自分に納得して、今を楽しむことができるようになれば、おのずと不満や不安も少なくなっていくことでしょう。今の日本人はあまりにも仕事に支配されています。「仕事だから」という呪文を唱え、自分自身を納得させ家族に納得してもらい、多くのものを犠牲にしています。一日の大半を仕事に費やし大切な家族の絆を見失い、ただ疲れるばかりの毎日に何の意味があるのでしょうか。

　これからますます労働条件が悪化する時代に、自分の仕事を誇り寝食を忘れるほどに楽しめない時代に、どうしてそんなに働くのでしょうか。なぜ、そんなに会社に尽くさなければならないのでしょうか。どうして今の生活をあたりまえのこととして受け入れなければならないのでしようか。よく映画で遠い未来の世界で人間が作りだした機械によって、人間が支配されてしまうというストーリーがあります。しかし、現代も人間が作りだした企業によって、人間が支配される時代なのかもしれません。私たちは企業によって奪われてしまった人間の生活権を取り戻さなければなりません。

　そんなにお金を必要とせずに、仕事に拘束される時間が少なく、誰もがゆとりを持ち家族と過ごしたり、自分の生きがいを見つけることのできる社会であってほしいと願います。

　そして、一人一人がそういった意識を持つことによって、日本が変わっていくのではないでしょうか。生きていることを喜べる、ゆとりのある日本であってほしいと思います。

　みなさんもまわりの人に
　　
　お金って、そんなに必要なんでしょうか。もっと、のんびりと生きることはできないのでしょうか

と問いかけていただきたいと思います。

　長い連載をご覧いただきありがとうございました。

2006.10.06：hs-1119：[メモ/本当の豊かさとは（連載①）]