甲子(きのえね)の大黒さま

人間関係
 普段は桜をしたから見上げています。今日の写真は桜を上から撮ってみました。視点を変えると違って見えてきます。
 
 会話をしているときに、相手のペースに巻き込まれてイライラしないためには、どうしたらいいのでしょうかと質問をしたことがありました。その時、話しをしている相手と、話を聞いている自分と、その様子を上から見ているもう一人の自分を意識しなさいと教えられました。
 
 上からながめている自分とは、感情的にならずに客観的な自分を残しておきなさいということなのでしょう。より高い視点に立てば、今まで見えなかったこともいろいろ見えてくるかもしれません。相手の苦悩や寂しさが見えてくるときもあります。
 
 大切なことは自分が見ている相手が、相手のすべてではないということです。自分のすべてをさらけ出せる人はいないものです。自分には見えていない部分があるということ、だからこそ相手を理解しようとする気持ちが必要なのです

今日の目標
 感情的にならずに、相手のことを見てあげましょう

新社会人の人たちが会社に入り、慣れない環境で悪戦苦闘していることでしょう。よく会社は選べるが、上司は選べないといいます。仕事の充実も効率も人間関係によるところが大きいと思います。会社よりも職場の人間関係のほうが、重要だと思うのですが、それが選べないんですよね。
 
 考えてみれば、学校の先生や同級生、近所の人、親戚や自分の親でさえ選ぶことはできません。どうしてこの人はいつも私の目の前にいるのだろうかと、不思議に思ってしまう人もいるものです。人の縁の不思議を感じます。
 
 自分ではどうすることもできないのが人の縁だとしたら、よき出会いがあることを祈りたいと思います。そして、目の前にいる選ぶことのできない相手とうまくやっていくことができたら、毎日の生活も楽しくなるでしょうね。

今日の目標
 どうせ一緒にいなければならないのなら、楽しくやっていきましょう
 日増しにあたたかくなり、雪もどんどん融けています。しかし、日当たりの悪い場所は、なかなか雪がなくなりません。
 
 私たちの心の中にも日陰の部分があります。そこは人間の負の感情が消えずに残っているところなのです。誰でも生きていれば嫌なことがあります。多くの場合、それは人間関係なのではないでしょうか。誰かとちょっとしたすれ違いがあったときに、次の日に忘れてしまう人と、一週間引きずってしまう人とではストレスの度合いが違ってきます
 
 自分なりの方法で、心の隅々にまで光をあてたいものです。生きていれば必ず出てくるマイナスの感情を、あまり長く心の中に残したくはありません一日の大半をイライラしたり落ち込んだりして過ごしたくはないですよね。いらないものはどんどん捨てて、心を軽くしましょう。

今日の目標
 不必要な感情を心から捨てましょう
 
 写真は日本三景の一つ天橋立です。細長く島がつながっているような、面白い形をしていますね。もし、嫌いな人と無人島で二人になったら、あなたならどうしますか。私はどんなに嫌いな人であっても、なんとかうまくやっていきたいと思います。だって、相手はその人しかいないのですから。
 
普段、私たちは大勢の人の中で生活しています。食べ放題のバイキングと同じで、自分に合う人間だけを選んで付き合っているのかもしれません。食べ物の好き嫌いと同じで、もしかしたら贅沢なことなのかもしれませんね。
 
 嫌いな物でも食べなければ栄養のバランスが崩れてしまいます。嫌いな人と付き合わないのは、人間としての成長を妨げるのかもしれません。嫌いな人とでもうまく付き合えれば、忍耐と度量を学ぶことができます。これは人間にとって、とても大切なことなのです。たとえ無人島に流されなくても、うまくやっていきたいものです。

今日の目標
 無人島に二人でいるつもりで接しましょう

 現代の人間を一言であらわすならば「孤独」という言葉が適切だと思うことがあります。社会問題の根底には、つねに孤独というキーワードがあると思うのです。
 
 部屋を隔てる壁よりも、心の壁は厚いのかもしれません。誰もが孤独を恐れながらも、そこに安住しているようにも思えます。よく「たった一人の孤独よりも、大勢の中での孤独のほうが辛い」といいます。家族の中で一人だったり、学校や会社の中で一人だったりすると、辛いものです。
 
 自分が相手に受け入れてもらえるのか、グループに馴染めるのか、誰もが不安になることがあります。でも、一人で孤独に耐えるよりは、人の輪に入ろうとする苦労や心配のほうが前向きでいいと思うのです。人間はどんなに開き直っても、一人では幸せになれないのですから。
 
今日の目標
 一人で生きているのではないと実感できるようにしましょう
 当山にいる野ウサギの写真です。野ウサギは外敵から身を守るために、冬場は雪と同じ白い毛になります。今はちょうど毛の色が変わる時期のようです。
 
 私たちは誰とでも同じように接しなければなりませんし、相手に合わせて自分を変えなければなりません。前者は人と接する態度ですし、後者は相手との会話です。
 
 誰かと話すときに自分と共通の話題があると、話が盛り上がります。反対に共通する話題がないと、よそよそしい緊張する会話になってしまいます。また、興味のない話題を延々と話されるのも苦痛なものです。
 
 自分がいろいろなものに興味を持っていると、それだけ多くの人と盛り上がることができます。相手に合わせて話ができるくらいに興味の幅を持っておきたいものです。そうすれば、より多くの有意義な出会いに恵まれることでしょう

今日の目標
 いろいろなことに興味を持ちましょう
 人間ですから、愚痴をこぼしたくなるときもあります。そんな時に「今はそういう時代だから」と一般化されたり、「誰々さんはもっと大変だよ」と誰かと比較されたりすると、なんだかガッカリしてしまいます。他の誰でもない、私の気持ちを聞いてもらいたいと思うのです。
 
 今日の写真は「聴」という字です。私は「耳」という字と「徳」という字が合わさって、作られた漢字だと勝手に解釈しています。人の話を聞くにも徳が必要だということです。ただ聞くのではなく、心を込めて聴くことが大切なのかもしれません。
 
 私たち人間は、誰かに真剣に話を聞いてもらえると、それだけで救われることがあります。それは相手が心を込めて聴いてくれるからなのでしょう。

今日の目標
 話を聞くときは、その人だけを見て聞きましょう。
 相手の何気ない言葉に傷ついたり、怒ったり、悲しんだりと、私たちの心はつねに揺れています。でも、自分が話すときのことを考えると、あまり考えないで話していることに気づきます。次々に進んでいく会話の中で、じっくり考えながらでは話しについていけなくなってしまいます。また、疲れていたり、イライラしていると思いやりに欠ける言葉も、出てきてしまうものです。
 
 相手の言葉に心が揺れると、自分のことしか見えなくなっている自分に気づくことがあります。そんな時、「この人は、どんな思いでこの言葉を語ったのだろうか」と考えてみると、心の揺れがおさまります。また、相手に一歩近づけたように感じることもあります。
 
 人間の思いと言葉は、必ずしも同じだとは限りませんよね。人の言葉を聞くのではなく、相手の心を聞けるように心がけなければならないのかもしれません。

今日の目標
 言葉を発した相手の気持ちを考えましょう
夫婦は二人をたして2で割るとちょうどいいと思うことがあります。なにも話し合っているわけではないのでしょうが、うまくお互いの足りないところを補っているように思います。そう思うと人間は一人ではなく、二人のほうがより良く生きられるのかもしれませんね。
 
写真はチベットの宇宙マンダラです。チベットも仏教国ですが、その仏様たちは男性と女性の仏様が一緒になっています。男性と女性の智慧が合わさって悟りに到達するという信仰があるそうです。
 
なにも一人で頑張ることはないんですよね。一人でダメなら夫婦で、それでもダメなら家族で頑張ればいいんですよね。昔は家族みんなで農作業をしていました。共通の話題があり、役割分担があり、同じ苦労がありました。今の時代に農作業は無理でも、一緒に汗を流せるものがあればと思います。そうすれば、家族の絆はより強くなるのではないでしょうか。

今日の目標
 家族みんなで苦労を楽しみましょう。
 同じ植木鉢で、同じように日の光を浴び、同じように養分をとっていても、まったく同じ花は咲かないものです。
 
 相手と向き合っていると、自分と同じところと自分と違うところの両方が見えてきます。自分と違う部分を相手の個性として楽しめれば理想的です。しかし、不思議なことに自分と違うと感じる部分は、相手の嫌なところだったり、自分にはできないと思うことだったりすることが多いのではないでしょうか。それでは、楽しむどころではなくなってしまいます。
 
 私たちはどれだけ自分の価値感で、相手を見ているのか考えなくてはならないのかもしれません。私はなるべく人間の好き嫌いをなくしたいと思っています。しかし、どうしても苦手な人はいるものです。そんな時、どうしても相手の価値感を受け入れられない自分がいます。相手がダメなのではなく、自分が受け入れられないだけなんですよね。

今日の目標
 相手を受け入れられる自分でいましょう
『moku』という月刊誌があります。この本の中で新井満さんと高橋卓志さんが対談をしておられました。

 その中で「自分という命がこの世に生じたのは父親と母親がいたからであり、その父親と母親にもそれぞれ父と母がいて、そうやって遡っていくと十代前まで数えると千人の父と母がいるし、二十代前まで遡ると百万人の父と母があったことが分かります。その中のたった一人の父や母が欠けただけでも自分の命はこの世に生じていなかったわけです。

 日本の歴史を見れば平和な時代より戦争の時代のほうが、はるかに多かったことが分かります。多くの人が倒れた疫病や飢饉もありました。辛く苦しい時代を乗り越え、次の世代へと本人達が果たせなかった願いと共に託されてきたのが、私たちの命なのです。
 
 「俺の命だから、どうしようが勝手だろう」という前に、自分に命をつないでくれた、百万人の人に感謝しなければなりませんね。ちなみに三十代前まで遡ると億単位の父と母が存在するそうです。『人類みな兄弟』といいますが、みんなで仲良く生きていきたいものです。

今日の目標
 出会う人みな家族のように、やさしく接しましょう。
 くるみさん、コメントありがとうございました。私は怒りの感情であっても、外に出してやったほうがいいと思います。ただ、怒りの感情は他の感情と違い、表現するのが難しいものです。私の場合、なにも言わず態度に出してしまいます。
 
 他の喜怒哀楽なら「私はうれしい」、「私は悲しい」などと、自分がどのように感じているかを素直に表現することができます。しかし、怒りの感情は「あなたのせいで」と自分の感情表現よりも相手を責めることが中心になりがちです。
 
 自分の怒りを表現する時に「あなたが悪い」と相手を一刀両断するのではなく、相手が素直に謝ったり反省できるような雰囲気を作り出す、やさしさが必要なのかもしれません。そうすればケンカをしても、より仲良くなれるかもしれませんね。

今日の目標
 ケンカをしても、より仲良くなりましょう。
 少し前の写真なのですが、雪が重たそうな松の木です。これでは、まっすぐに伸びることができません。
 私たちは毎日、頑張って働いています。しかし、仕事が忙しいと子供には「今、忙しいから」とか「一人で頑張ってみなさい」と言いたくなるものです。子供はまわりの大人に向き合ってもらえないと、一人で我慢してしまいます。我慢が続くと感情を表現することが苦手になってしまいます。
 
人間の思考も会話も感情が中心だと思うのです。感情があるからこそ喜びや楽しみがあり人生の充実があるのだと思います。そして、自分の感情を誰かと共有できれば、日々の生活はより豊になります。愛情溢れる家族との、ふれあいの中で子供の豊かな感情が育まれるんでしょうね。

今日の目標
 今日は素直に感情を出して生活しましょう。
  
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 みなさんも食事には、いろいろと気を使っていらっしゃることと思います。カルシウムをとるために牛乳を飲んだり、足りないビタミンを補うためにサプリメントを服用している人もいることでしょう。
 
 では、塩を摂るように気をつけている方はいらっしゃるでしょうか。この前、聞いたのですが、人間には1日7グラムの塩が欠かせないのだそうです。「敵に塩を送る」という言葉があるくらい、私たちには必要なものなのです。しかし、普段の食生活で塩の大切さを意識することはほとんどありません。
 
 人間関係でも、あたりまえすぎて意識したり気を使ったりしないで、平気でなんでも言える、自由気ままな関係ほど大切です。でも、そういう相手が「ありがたい存在」だとは、なかなか気づかないのかもしれませんね。

今日の目標
 いつもそばにいてくれる人に、感謝しましょう。
 
 今回、「甲子(きのえね)」の読み方について、多くのコメントをいただきました。たしかに甲子という字は「きのえね」、「かし」、「こうし」と読むことができます。みなさんがどのような読み方をしても、間違いではありません。当山では「きのえね」と読むことを、ちゃんとお知らせする義務がありました。
 
 今日は私の反省に基づいて書きたいと思います。普段の会話の中で「あれが」とか「そこに」と省略して話すことがあります。自分の中で分かっているから、相手にも伝わっていると考えてしまうと、コミュニケーションがうまくいきません。

 自分の思いをどうやって相手に伝えるか。資料をコピーするようにはいきません。どうしても伝えきれない思いが残ってしまいます。そして、その部分が一番大切だったりするのですから、会話は難しいですね。
 外人さんに英語で話しかけられれば、どうやったら伝わるか一生懸命に考えますよね。日本語で話すときでも、一生懸命に考えることが大切なのかもしれませんね。
 
 ぶーちゃん、コメントありがとうございます。これからも頑張ります。夏至さん、私も今回反省して、一つ覚えました。夏至さんも、一つ覚えましたね。お互いに一歩進むことができましたね。

今日の目標
 いかに伝えるか、考えて話しましょう。