histoire
▼無題S
あの頃の私は
浅はかで愚かで嘘つきで
君を愛する資格など
少しも持ってはいなかったけれど
あの時交した約束は
偽りなんかじゃなくて
ホントに君が大切で
幻でもよかったから抱きしめていたかったんだ
実感なんてなくて
触れ合った感触がなくても
君と出会えただけで幸せだったんだ
その幸せで満足できたんだ
大人になった私は
傲慢で強欲でズル賢くて
君を守る力など少しも持っていないんだ
しがらみだけが増えていく世界で
私はあまりにも非力で
守ることも出来ない君を欲してばかりいるんだ
君といられる幸せを
忘れてしまったみたいに
2005.07.17:sasa
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