histoire

▼無題@

春になると思い出す
あなたとの楽しかった日々
あれからもうどれくらい
たったのだろう
数え切れないほどの夜と
繰り返される朝を数えたよ

もう二度と逢うこともない
あなたを まだ
「今何してるだろう」
なんて 考えてしまう
わたしは弱いよね


秋になると考える
あなたとあったはずの日々
そのために捨ててきたものも
あったのに
今はもう何を捨てたのかも
思い出せないというのに

もう二度と逢うこともない
彼方のために また
ひとつ捨てていく
あなたが帰ってくるわけでも
無いというのに


夏になると振り返る
あなたに呼ばれた気がするから
そんなことありはしないって
もう わかっているのに
少し高い硝子のような
あなたの声が大好きだから

もう二度とけして呼ばれない
あなたの声を 今も
ずっと待っている
いつか呼んでくれるって
信じたいから


冬になるとあなたを待つ
あなたが白い雪をかきわけて
帰ってくると約束してくれたから
少しずつ積もっていく
雪を見ながら涙を流す

もう二度と帰ってこない
あなたを この
白い家で待っている
あなたをあたためる
火をおこしながら

2005.07.16:sasa

HOME

copyright/histoire

powered by samidare