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「冷やしトマトが一番だね。薄くきって軽く塩をふるだけ。肝臓にいいらしいから、晩酌のときに食べていますよ。トマトを切るとき、中身の種とゼリーがこぼれないコツは、まずへたを取って頭の部分を薄く切る。中に見える白い放射線状の白い線に合わせて切る。やってみてください」
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スイカの大敵がカビの一種であるつる枯病です。梅雨の時期以降から収穫期直前まで発生する可能性があり、一度発病したら止めることは出来ません。
つる枯病の原因は高温多湿。尾花沢は冬の間に1m50cmも雪が積もる地域ですから、はじめは土を適度に温め、7月になれば通気をよくしておくことが必要に。大山さんはトンネルの開け閉めと、年間通して消毒、防除剤で対策を図っています。 「ただ、この辺りは夏でも半袖でいられないほど、冷たい風が吹くんですよ。そのおかげで病気の発生が少ないんです。結果的に防除剤の使用も少なくて済みますね」。最適な気候条件と技術がぴったり合うことで、見事な味が生まれるんですね。 |
ハウス栽培の場合は、4月中旬から11月初旬までと収穫期が長く、収穫後は株を抜いて畑を平らに戻し、冬の間にもみ殻入りの堆肥作り。種まき後は、成育中病気にならないよう接ぎ木をします。「ハウスの環境は温度管理も難しい。あまり温かいと苗がモヤシにようになってしまうんです。子どもと同じ。甘やかしすぎてもダメですね(笑)」。
そして、1月中旬には着果させるためのホルモン処理がスタート。開花に合わせ、霧吹きでホルモン剤をかけていきます。「1本の株につき20数花ずつ行います」。と聞けば簡単そうですが、約300坪の広さのハウスにある花の数は何万花。光がまんべんなく当たるよう、余分な葉を取りながらと、もっとも手間がかかるのがこ の作業です。 |
高校の頃から、家業のさくらんぼ栽培を手伝っていた工藤さん。平成元年、桃団地の設立をきっかけに、新たな勉強が始まりました。当初は満足のいく実がならなかったり、せっかく育った実が収穫前に落ちてしまったり。何が原因か分からず模索していく中で、枝を切り落とすせん定にポイントがあったことを見つけだします。「強い枝に実を生らせると果肉もしっかりするし甘さにコクがでる。でも、所々に強く長い枝を残さないと木が弱る。枝が酔っぱらったみたいになっていたらダメなんだよ」。工藤さんが作る桃の木には、盆栽のような美学があります。平成十年十二年には、農協の桃あかつき立ち木品評会で最優秀賞を受賞しました。桃は病気の感染時期が長いため、殺菌、殺虫に十分な配慮が必要です。現在は東根果樹組合のもも部長を務め、今年からエコファーマーの取り組みも開始。「作る側にとっては何十個の桃でも、食べる人にとっての評価はその1個だからね」という言葉が印象的でした。
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